令和4年 9月定例会 令和4年9月7日(水曜日) 午前10時0分開議 ─────────────────── 出 席 議 員(37名) 2番 坂 本 康 郎 (
公明党宮崎県議団) 3番 来 住 一 人 (
日本共産党宮崎県議会議員団) 4番 山 内 佳菜子 (
県民連合宮崎) 5番 武 田 浩 一 (
宮崎県議会自由民主党) 6番 山 下 寿 ( 同 ) 7番 窪 薗 辰 也 ( 同 ) 8番 佐 藤 雅 洋 ( 同 ) 9番 安 田 厚 生 ( 同 ) 10番 日 髙 利 夫 ( 同 ) 11番 川 添 博 ( 同 ) 13番 中 野 一 則 ( 同 ) 14番 図 師 博 規 (無所属の会 チームひむか) 15番 有 岡 浩 一 (郷中の会) 16番 重 松 幸次郎 (
公明党宮崎県議団) 17番 前屋敷 恵 美 (
日本共産党宮崎県議会議員団) 18番 岩 切 達 哉 (
県民連合宮崎) 19番 井 本 英 雄 (
宮崎県議会自由民主党) 20番 徳 重 忠 夫 ( 同 ) 21番 外 山 衛 ( 同 ) 22番 山 下 博 三 ( 同 ) 23番 濵 砂 守 ( 同 ) 24番 西 村 賢 ( 同 ) 25番 右 松 隆 央 ( 同 ) 26番 日 高 博 之 ( 同 ) 27番 井 上 紀代子 (県民の声) 28番 河 野 哲 也 (
公明党宮崎県議団) 29番 田 口 雄 二 (
県民連合宮崎) 30番 満 行 潤 一 ( 同 ) 31番 太 田 清 海 ( 同 ) 32番 坂 口 博 美 (
宮崎県議会自由民主党) 33番 日 髙 陽 一 ( 同 ) 34番 横 田 照 夫 ( 同 ) 35番 野 﨑 幸 士 ( 同 ) 36番 星 原 透 ( 同 ) 37番 蓬 原 正 三 ( 同 ) 38番 丸 山 裕次郎 ( 同 ) 39番 二 見 康 之 ( 同 ) ─────────────────── 地方自治法第121条による出席者 知 事 河 野 俊 嗣 副 知 事 日 隈 俊 郎 副 知 事 永 山 寛 理
総合政策部次長 川 北 正 文 政 策 調整監 吉 村 達 也 総 務 部 長 渡 辺 善 敬
危機管理統括監 横 山 直 樹 福祉保健 部長 重黒木 清 環境森林 部長 河 野 譲 二
商工観光労働部長 横 山 浩 文 農政水産 部長 久 保 昌 広 県土整備 部長 西 田 員 敏 会 計 管理者 矢 野 慶 子 企 業 局 長 井 手 義 哉 病 院 局 長 吉 村 久 人 財 政 課 長 高 妻 克 明 教 育 長 黒 木 淳一郎 警 察 本部長 山 本 将 之
選挙管理委員長 茂 雄 二 代表監査 委員 緒 方 文 彦 人 事 委員長 佐 藤 健 司 ───────────────────
事務局職員出席者 事 務 局 長 渡久山 武 志 事 務 局次長 坂 元 修 一 議 事 課 長 鬼 川 真 治 政策調査 課長 伊 豆 雅 広 議事課長 補佐 関 谷 幸 二 議事担当 主幹 佐 藤 亮 子 議 事 課主査 川 野 有里子 議 事 課主査 内 田 祥 太
議事課主任主事 山 本 聡────────────────────
△議席の一部変更
○議長(中野一則) これより本日の会議を開きます。 ここで、議席の一部を変更いたします。 各議員の議席は、会議規則第5条第1項の規定により、ただいま御着席のとおり指定いたします。 ────────────────────
△議長の報告(
議会運営委員長互選結果)
○議長(中野一則) 本日の日程は代表質問でありますが、ここで御報告申し上げます。 9月2日に開かれました
議会運営委員会において、濵砂守議員が委員長に互選されました。 以上、御報告いたします。 ────────────────────
△代表質問
○議長(中野一則) ただいまから代表質問に入ります。 質問についての取扱いは、お手元に配付の
代表質問時間割のとおり取り運びます〔巻末参照〕 質問の通告がありますので、順次発言を許します。まず、
宮崎県議会自由民主党、
野﨑幸士議員。
◆(
野﨑幸士議員) 〔登壇〕(拍手) おはようございます。
宮崎県議会自由民主党の野﨑幸士です。 本日は早朝より、自民党県連の女性局はじめ傍聴においでいただいた方に対しまして、感謝申し上げます。ありがとうございます。 また、このたび県警本部長に就任されました山本本部長―何か私が小さく見えますが―本当に頼りがいというか安心感を持ちます。県民の安全・安心な暮らし、治安確保に全力を尽くしていただきたいと思います。よろしくお願いします。 それでは、9月定例議会に当たりまして、議長のお許しをいただきましたので、通告書に従いまして質問を進めてまいります。 まず、知事の
政治姿勢について質問します。 知事は昨年11月の坂口議員の一般質問において、4期目となる
次期知事選挙―今年の12月25日に投開票ですが―への出馬を表明されました。 その際、「
県経済団体協議会からの出馬要請を受け、熟慮を重ねる中で、コロナ禍の克服や
人口減少対策への対応、そして、安心と希望であふれる未来への道筋をつけることが自身に課せられた責務であり、今の困難な状況を何とか打開したい、この愛する宮崎をよりよく、さらに発展させたいという強い思いに至った」と説明されています。 また、そのときの御自身のSNS(ツイッター)で、「コロナ禍という困難な状況に真正面から立ち向かい、宮崎のさらなる発展のため、県政のかじ取りの重責を担ってまいりたいという、私なりの覚悟を述べたものです」と発信されています。 先ほどの、
県商工会議所連合会や県医師会など10団体でつくる
県経済団体協議会は、昨年11月15日、早々に、
新型コロナウイルス対応への評価や、県政運営に対する
バランス感覚、安定感等を挙げ、さらには全国知事会において
地方税財政常任委員長を務めているということを高く評価し、出馬要請をされています。 こういった中で、
次期知事選挙には、先月8月17日に、元知事であり芸能界やマスコミに強く発信力が高い東国原氏が出馬表明されました。その東国原氏の出馬表明に対して、知事は先日、「12年もたった今、なぜ宮崎県知事なのか。今さらという感じが非常に強い」であるとか、「時計の針を巻き戻すようなことがあってはならない」など、知事時代の東国原氏を副知事として支えてきたこと、また、いつもクールで冷静な知事にしては珍しく、非常に強い感情の籠もった言葉で反応されたことに、次の知事も自分でないといけないという、政治家としての強い決意をかいま見たところでございます。 今回は大変厳しい選挙になると思われますが、力強い知事の思いを改めてお伺いし、以下は質問者席から質問を進めてまいります。(拍手)〔降壇〕
◎知事(
河野俊嗣君) 〔登壇〕 おはようございます。お答えします。 12年前のちょうど今頃になります8月27日、口蹄疫の終息宣言がなされました。当時は130日にも及ぶ
口蹄疫ウイルスとの闘いを経て、地域経済や暮らしが深刻な影響を受け、県全体が重苦しい空気に包まれておりました。 県民の総力を結集して、宮崎の再生復興に取り組んでいかなければならない状況にあって、その終息宣言から約1か月後、東国原元知事が2期目の知事選には出馬しないことを表明されました。 多くの県民が先行きに不安を感じる中で、当時副知事であった私としては、総務部長及び副知事として県の中枢で仕事をし、口蹄疫対策をはじめ当時の県政を熟知している自分が先頭に立って引っ張っていかなければならないという強い思い、使命感を抱き、国家公務員としてのキャリアを断ち切り、不退転の決意で知事選への立候補を決断したところであります。 その後、県民の皆様の御支持をいただくことにより、3期12年にわたり、口蹄疫や新燃岳噴火、
東日本大震災など相次ぐ災害等からの復興、さらには安全安心な
宮崎づくり、
人口減少対策や将来の発展に向けた道筋づくりなど、困難な課題にも真正面から向き合い、県民の皆様と苦しみや喜びを共有しながら、ひたむきに県政運営に取り組んでまいりました。 その結果、将来の発展の礎となるような様々な成果が現れており、県政は着実に力強く前に進んできたという手応えを感じております。 一方で、3年に及ぶコロナ禍に加え、昨今の原油価格・物価高騰の影響により、現下の県民の暮らしや地域経済は、100年に一度とも言うべき難局に直面しております。これまで着実に前進してきた県政を改めて立て直し、元の成長軌道に戻していくに当たり、極めて重要な局面を迎えているものと考えております。 私の宮崎に対する思いは、12年前に初めて知事に就任したときと、いささかも変わりはありません。いや、むしろ知事としての重責を担いながら年月を重ねることにより、自分が果たすべき役割に対する決意や覚悟は、より一層強いものとなっております。 口蹄疫からの再生復興を成し遂げてきたこれまでの経験や、丁寧に築いてまいりました国とのパイプを生かしながら、県議会をはじめ国や市町村、関係団体との連携、信頼関係をより深めることにより、次の4年間も、私が県政の先頭に立って、県民の皆様とともに、安心と希望あふれる宮崎を実現してまいりたい、その思いをさらに強めているところであります。以上であります。〔降壇〕
◆(
野﨑幸士議員) まとめますと、安心と希望あふれる宮崎をつくりたいという知事の一貫した思いは理解しました。 知事の就任当初からこれまでを振り返りますと、口蹄疫からの再生復興、そして復興から新たな成長の創出、また、子供や若者を中心とした人づくりや、医療、福祉、防災・減災等の
暮らしづくり、県産品や総合交通などの産業づくり、また高速道路網の整備の進展、宮崎駅西口の再開発など、今後の宮崎県の発展に必要なハード整備も着実に進めてこられました。私も大いに評価しております。 そこで、知事が目指す「安心と希望あふれる宮崎県」を実現するため、これまでどのような取組を行い、そして、どのように自己評価しているのか、お伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) 私は知事就任以来、この愛する宮崎県のため、ひたむきに県政発展に邁進してまいりました。 就任当初は、口蹄疫など相次ぐ災害からの再生復興に取り組み、その後、「復興から新たな成長へ」を掲げて、
東九州自動車道等の
インフラ整備や、
フードビジネス振興、グローバルな市場開拓、企業誘致などの成果を上げつつ、新たな成長の流れを軌道に乗せる取組に力を尽くしてまいりました。その結果、安心安全な
宮崎づくりや県政発展のための土台づくりが着実に進んだものと考えております。 具体的には、人づくりの面におきましては、今年3月に卒業した高校生の県内就職率が65.7%と過去最高を更新したほか、新規就農者、就業者の確保を進め、移住世帯数は年々増加してきております。 また、医療人材の確保や林業大学校の開講など、本県の産業や地域を担う人材の育成確保を図ってまいりました。
暮らしづくりの面では、高速道路網の整備の進展をはじめ、
防災医療拠点としての県防災庁舎や
県立宮崎病院の整備など、県民の命を守り、安全安心な暮らしを支えるための基盤整備が着実に進んでおります。 産業づくりの面におきましても、1人
当たり県民所得の向上や、
スポーツキャンプ・合宿受入れ実績の増加、大型企業の誘致をはじめ、農畜水産物の輸出額が10年連続で過去最高を更新したほか、
杉素材生産量が31年連続、
本格焼酎出荷量は8年連続で日本一を達成するなど、様々な分野で成果が現れてきております。 また、長年の懸案でありました
宮崎カーフェリーの新船の就航や、国スポ・障
スポ関連施設の県内における分散整備、さらには、町なかの
にぎわい拠点創出に向けた宮崎駅西口広場の再整備など、将来の発展、活性化の礎となる着実な成果が出ており、私としても確かな手応えを感じているところであります。 一方で、直近では、コロナ禍や原油価格・物価高騰によりまして、県民の暮らしや地域経済に大きな影響が出ておりますことから、全力で宮崎再生に取り組むことにより、早期にコロナ前の成長軌道に戻していくことが喫緊の課題であると考えております。
◆(
野﨑幸士議員) 答弁の前段でありましたように、順調に進んできた2期目とは違って、過去に例のないコロナ禍に加えて、物価高・燃油高騰等の影響により、この3期目は順風満帆とは言えない状況だと思います。 今求められる課題は、コロナ禍等により疲弊した県内経済を立ち直らせること、そして知事が目指す姿に向けて、宮崎県の軌道を元に戻すことではないかと考えます。 口蹄疫からの復興を目指した12年前も、同様の状況でございました。当時、東国原氏は、「県知事としての限界を感じている。国の在り方、
統治システムを変えたい」として、口蹄疫からの復興に多くの県民が期待をし、ぜひ続けてほしいという、その期待に応えることなく、宮崎を去っていかれました。 東国原氏は、確かに、地鶏やマンゴー等のアピールは実績として印象に残っています。県民にとっては分かりやすい部分ですが、何か県外向けの
トップセールスだけに重点を置かれていて、県内、足元の施策としては、あまり印象には残っておりません。 退任後、2011年の
東京都知事選に出馬し落選、翌年2012年の衆議院選では、日本維新の会から
比例近畿ブロックに立候補し初当選しましたが、宮崎県知事のときと同様、道半ばで辞職され、芸能活動へと移られました。 私はこのようなときこそ、県民の、また県内事業者の苦しみをしっかりと受け止め、逃げずに県民との対話を重視し、県民に寄り添って、県民とともにこの困難を乗り越える、引っ張っていくのがリーダー(知事)の姿だと強く思います。 この今の喫緊の課題であります、コロナ禍や原油価格・物価高騰について、知事はどのように対応していくのかお伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) 私は12年前に知事に就任した当初も、口蹄疫という未曽有の災害を真正面から受け止め、県民の総力を結集して再生復興に取り組んでまいりました。 そして今、再び、この長引くコロナ禍や原油価格・物価高騰に対しましても、県民の皆様の将来に向けた不安な思いや苦悩に寄り添い、それをしっかりと受け止めながら、強い気概と覚悟を持って取り組んでまいります。 何よりもまずは、この国難とも言える難局から立ち上がり、一刻も早い回復を実現する必要があります。様々な業界の皆様を後押しし、力を合わせて宮崎の再生を目指していくこと、そして、その旗振り役を担うのが
トップリーダーの役割であると認識しております。 このため、厳しい環境にあります県民生活、経済活動を確実な再生へと導くことを目的としまして、過去最大の規模となります本県独自の
宮崎再生基金の創設を今議会に提案したところであります。 これは、県民の皆様を何としても守り抜くという、私の決意の表れでもあります。この基金を活用しながら、商店街の活性化や観光誘客の促進、農林水産業・商工業の支援、
生活困窮者等への対応など、きめ細かな施策を機動的かつ継続的に実施していくこととしております。
◆(
野﨑幸士議員) 先ほどの答弁でちょっと触れられましたが、知事はこのコロナ禍や原油価格・
物価高騰対策を力強く進めるため、今議会に30億円の
宮崎再生基金の設立を提案されています。年度途中の補正予算でこれだけの規模の基金を創設するのは、あまり例がないと思われます。それだけ非常に厳しい状況に置かれている現下の企業活動や、県民の暮らしに対する強い危機感の表れであろうと理解しています。 そこで改めて、今議会に
宮崎再生基金を提案するに至った背景と、今後この基金をどのように活用しようと考えられているのか、お伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) これまで、コロナ禍や原油価格・物価高騰への対策につきましては、国の
地方創生臨時交付金等を積極的に活用し、本県の
社会経済活動の維持・回復に取り組んできたところであります。 しかしながら、
観光関連産業をはじめ県内事業者や県民生活への影響が長期化し、先行きの不透明感が増す中で、国の経済対策のタイミングでありますとか、国の財源には使途が制限されたりする、そういった条件に左右されることなく、機動的かつ継続的に施策を展開するため、今回、県独自の
宮崎再生基金の創設を提案したものであります。 今後は、この基金を活用し、県内の消費の喚起や事業活動の支援、生活困窮者をはじめとする県民の暮らしや絆の維持、さらには、本格的な交流回復を見据えたスポーツキャンプやインバウンドの受入れ強化などに向けた展開を予定しておりまして、今回の補正予算案におきましても、5つの事業、約2億5,000万円をお願いしているところであります。 引き続き、
社会経済情勢の動向等を注視するとともに、県民の皆様の声をしっかりとお聴きしながら、県民生活や経済活動を着実な再生に導いてまいりたいと考えております。
◆(
野﨑幸士議員)
観光関連産業、飲食業をはじめ、新型コロナや原油価格・物価高騰の影響で、厳しい状況に置かれている県内のあらゆる事業者にとって、国の交付金等による支援に加え、今回の
宮崎再生基金による下支えは、大変ありがたく感じていただけると思います。引き続き、コロナ禍や燃油価格・
物価高騰対策には重点的に取り組んでいただき、
宮崎再生基金を活用した早期の事業展開を望みます。 次に、今般見直す宮崎県
総合計画長期ビジョンでは、本県の目指すべき将来像を実現していくため、知事は次の4年間でどのようなことに取り組まれようとしているのか、知事の決意をお伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) 県民の皆様に次期県政を負託いただくことがあくまでも前提ではありますが、次の4年間で私が何としても取り組まなければならないと考えておりますことは、一言で言えば宮崎再生であります。 宮崎再生とは、この100年に一度とも言える難局を克服し、早期に県民生活や経済活動の本格的な回復を図り、宮崎の歩みを再び成長軌道に乗せ、次のステージへと飛躍させて、夢と希望あふれる宮崎を実現することであります。 そのための取組として、先ほど御説明しましたような、地産地消、応援消費の強化などを通じた需要喚起に取り組み、燃油・
資材等高騰対策や、
旅行交通需要の回復等により、事業維持の支援に取り組んでまいります。また、
生活困窮者等への対応など、県民生活の安定化を図り、交流を見据えた
MICE誘致や
インバウンド誘客を進めてまいります。 そして、本格的に進行しつつある人口減少の抑制に向けて、コロナ禍で生じました地方回帰の動きを持続的なものとすべく、若者が学び、働き、子育てをしやすい環境づくりや、移住・定住の促進、交流人口の拡大に取り組んでまいります。 特に中山間地域におきましては、市町村等と連携しながら、持続可能な地域交通網の実現や、産業の担い手の確保など、地域住民が将来にわたり住み慣れた場所で安心して暮らせる環境づくりに取り組んでまいります。 また、
ウクライナ危機に端を発した世界規模での食料等の安全保障問題のほか、デジタル化の加速や気象変動問題など、我々を取り巻く
社会経済環境は大きく変わりつつあります。このような中、全国有数の
食料供給基地としての本県の役割は、ますます重要となるものと考えております。 農林水産業の成長産業化を図るとともに、
フードビジネスなど付加価値の高い産業を育て、地域経済を支える力強い産業構造を築いてまいります。 また、幅広い分野でデジタル化を進め、
ポストコロナを見据えた産業の成長や、医療、福祉、教育の充実などの地域が抱える課題解決につなげるとともに、脱
炭素社会づくりに向けましては、本県の自然環境を生かした
再生可能エネルギーの導入や、森林資源の循環利用の推進等に取り組んでまいります。 さらには、国スポ・障
スポ関連施設や、
屋外型トレーニングセンターなどの施設の整備に加えまして、スポーツへの関心の高まりを追い風として、競技力の向上や県民の健康増進、スポーツによる誘客や地域活性化を図り、
スポーツランドみやざきのさらなる発展に取り組んでまいります。 次の4年間は、このような宮崎再生の取組に、積極的、果敢に挑戦し、しっかりと実績を残してまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 今、4期目になすべきことについて、知事の決意を伺ったところでありますが、
新型コロナ対策はもとより、中
山間地域対策、農林水産業の振興、デジタル化への対応、ゼロ
カーボン社会の実現に向けた取組などは、県民の暮らしに大きく関わるものであり、県政の課題を幅広く的確に捉え、将来への道筋をきちんと立てられようとしていることを非常に頼もしく感じています。また、知事の得意分野であるスポーツや文化についても、知事のカラーをうまく生かしながら取り組んでもらいたいと思います。 県勢発展の基盤をより強固なものとするために、知事の強力なリーダーシップを発揮してもらいたいです。 知事の
政治姿勢に関する質問は最後になりますが、知事はこれまで、この議場で幾度となく宮崎に対する愛を問われ、答弁を重ねてこられました。 昨年11月議会で4期目の出馬を表明された際も、坂口議員から宮崎に骨を埋める覚悟について問われた際、「知事として、なすべきことを全て成し遂げた後も、宮崎で人生を全うしたい。宮崎は今や自分の大切なふるさととなり、いずれ公職を離れた際には、この宮崎に家を持って住み続けたい」などと発言されています。 また、「宮崎を愛している」「全身全霊で県勢発展に力を尽くす」などと発言されていますが、一方で、知事のキャラクターなのか、言い方がスマート過ぎて感情が表に出ず、心に響かないというか、一般の県民に知事の言葉が、思いがストレートに伝わらない部分もあるのではないかと感じるときが度々あります。 もう二度とこの議会で同じような質問がなされることがないよう、河野知事が本当に宮崎に尽くす覚悟はあるのか、どれくらい強い思いを抱いているのか、真の宮崎県人であることをこの場でアピールするためにも、宮崎に対する熱い思いを語っていただきたいと思います。
◎知事(
河野俊嗣君) 平成17年に総務省から総務部長として赴任して以来、私の宮崎での暮らしも17年半に及んでおります。昭和63年に自治省に入省した私は、就職して34年が経過したことになりまして、職業人生のちょうど半分をこの宮崎県にささげてきたこととなります。 宮崎に赴任するまでの17年間にわたり、霞が関や出向自治体、海外留学などで様々な知識、経験、人脈を培ってまいりました。そうしたもの全ては、知事として宮崎県の発展に力を注いでおります今このときのためにあったものと、今がその集大成であると、そのような思いがしております。 この17年半というもの、総務部長、副知事そして知事として仕事に取り組む中で、ひたすら宮崎県のことを思い、宮崎という豊かな土地や、ここに住む穏やかで心優しい人々を愛し、宮崎の発展のため懸命に尽くしてまいりました。 この年数は、高校を卒業するまで故郷の広島県呉市で過ごした時間とほぼ一緒ではありますが、感覚的には、その年月をはるかに上回り、何十年にも思えるような、とても濃密で充実した時間をこの宮崎で過ごしてまいりました。多くの方々との出会いに恵まれ、温かい県民性や人とのつながり、地域での支え合いに助けられながら過ごしてきた時間は、家族との多くの思い出も詰まった、かけがえのない一生の財産であると考えております。 こうして家族共々受け入れていただき、また地方自治を志した者としては、最もやりがいのある仕事の一つであります知事としての職責を、県民の皆様から託していただいており、そのことに対する深い感謝の思いを私は抱いているところであります。しっかりとその期待に応えていかなくてはならないと考えております。 他県の出身ではありますが、こうした深い感謝の思いとともに、宮崎を愛する思いは、宮崎で生まれ育った皆さんに、いささかも引けを取るものではないと考えております。 むしろ、他県出身でありながら県政のリーダーを務めることに対する強いプレッシャーにさらされながら、宮崎に腰を据えて、知事としての重責を担い、年月を重ねることにより、そして、そのような私を温かく励まし支えてくださった県民の皆様との、私にとって宝物のような時を積み重ねることによりまして、宮崎をかけがえのないふるさととして愛する思いも、より一層強いものとなっております。 県内に自分の墓も用意したところでありますが、宮崎で人生を全うしたい、いずれ公職を離れた際には、この宮崎に家を持って住み続けたいと強く感じているところであります。 今後とも、知事として、一人の宮崎県民として、この愛するふるさと宮崎の発展のために、誠心誠意覚悟を持って全力で取り組んでまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 知事の宮崎に対する愛がにじみ出た答弁だったと思います。知事の宮崎に対する熱い思い、覚悟は、ここにいる全ての議員がしっかりと受け止めたと思います。 東国原知事が1期目で退任した後、河野知事が、県民の不安や苦しみ、悲しみを逃げずに真正面から受け止めながら、
トップリーダーとして口蹄疫からの再生復興に努める姿を、県民も見て理解し、感謝していると思います。 私は、宮崎県出身の東国原氏よりも、よっぽど宮崎に対する愛が深く、真の宮崎県人だと思いますし、自信を持っていただきたいと思います。 我が自民党宮崎県連としても、8月20日、選挙対策委員会を開き、元知事の東国原氏も推薦要請をしてきていましたが、河野知事の推薦を全会一致で決めました。推薦の理由は、おおむね、私がこれまでるる述べてきたことだと思います。 また、9月3日に開催されました、自民党県連の政経セミナーにおいても、党本部の茂木幹事長が、東国原氏について、「「どげんかせんといかん」と主張し、知事になりながらあっさり辞めた人だ。流浪の旅を繰り返し、また知事選に出ると聞き、ちょっとびっくりしている」と、疑問を呈されています。 新型コロナからの復興、少子高齢化・人口減少がもたらす、各地域あらゆる分野・業種の持続可能な発展が、存続が叫ばれる時代だからこそ、継続が大事だと思います。持続イコール継続です。 河野知事には、この難局を県民とともに乗り越える強い意志を持って、県民の思いとふるさと宮崎の将来を背負って、しっかり結果を出していただくようお願いいたします。 次に、財政運営について質問します。 8月5日に、本県の令和3年度の決算見込みが公表されました。昨年度は、
新型コロナ対策のために多額の財政需要が発生し、補正予算編成を何度も繰り返すなど、前年度同様、財政的な対応に追われた年でありました。 このため決算規模は、歳入歳出とも、口蹄疫が発生した平成22年度に次いで過去2番目の規模となったとのことであります。 令和3年度決算見込みはどのようになったのか、その概要を総務部長にお伺いいたします。
◎総務部長(渡辺善敬君) 令和3年度決算につきましては、歳入が、企業業績の回復等に伴う全国的な税収増を背景とした地方交付税や県税収入の増加等により、前年度比3.7%増の7,298億2,674万円、歳出が、
新型コロナ対策に係る衛生費等の増加により、前年度比4.4%増の7,169億9,000万円となりました。 また、歳入から歳出を差し引いた額から、翌年度に繰り越すべき財源を控除した実質収支につきましては、51億9,977万円で、前年度の103億8,547万円よりも減少したものの、一定規模の黒字を確保したところであります。 一方で、県債発行額は、国土強靱化対策事業等により、前年度比7.3%増の857億2,252万円で、県債残高は、前年度比1.6%増の8,572億3,028万円となっております。
◆(
野﨑幸士議員) 財政関係2基金(財政調整積立金と県債管理基金)の残高については増加しております。 しかし一方で、令和3年度の地方財政計画において、前年度より減少すると見込まれた地方税収が前年度を上回ったことで、結果的に本県分の地方交付税が過大に交付されております。これに対しては、精算制度により、今年度から令和6年度までの3か年間で約100億円、地方交付税が減額されると伺っております。また、決算残高については、答弁にありましたとおり、前年度末比で増加している状況にあります。 これらを考えますと、現時点において、財政的に十分余裕がある状況とは言えないのではないかと考えております。 そのような中で、社会保障関係費の増加や、公共施設の老朽化への対応、令和9年度に控えている国スポ・障スポの開催経費など、今後、財政需要はますます増加していくことが予想されます。また、短期的に見れば、新型コロナからの経済回復や、原油価格・物価高騰等への積極的な財政出動も求められております。 今後、求められる財政需要に対応しながら、どのような財政運営を行っていくのか、知事にお伺いします。
◎知事(
河野俊嗣君) 令和3年度の決算では、県債残高が増加し、また、今後も多額の財政需要が見込まれているところでありますが、財政関係2基金の残高は増加しておりまして、地方交付税の減額精算に対応する中でも、財政の健全性を維持できるものと考えております。 そのため、国スポ・障スポ大会関連経費や、公共施設の老朽化対策など中長期的な需要に対しましては、特定目的基金を設置して計画的に活用しますとともに、国庫補助金はもとより、地方財政措置のある県債を活用するなど、県の実質的な負担をできるだけ抑制し、年度間の変動が小さくなるよう努めているところであります。 また、コロナ禍や原油・物価高騰等に伴う県民生活や経済活動の本格的な回復など、緊急の需要に対しましては、
地方創生臨時交付金等の積極的な活用に加え、30億円の
宮崎再生基金を創設し、機動的かつ継続的に対応できるよう、財源を確保したいと考えております。 引き続き、財政の健全性を維持しつつ、本県の抱える諸課題に的確に対応できるよう、適切に財政運営を行ってまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 次に、本県の職員採用について質問します。 少子高齢化・人口減少の急速な進展、新型コロナにより、あらゆる分野、業種で人手不足による労働力不足が問題となっている中で、全国の自治体でも職員採用に苦慮されているようです。時事通信の調査によると、全国の都道府県が実施する2023年度職員採用試験のうち、32道府県で応募者が前年度を下回ったと報道がなされました。 本県でも既に今年度の職員採用試験が実施されておりますが、本県での採用職員試験の状況を、人事委員長にお伺いいたします。
◎人事委員長(佐藤健司君) 令和4年度の県職員採用試験の競争倍率は、大学卒業程度全体で3.7倍となっており、前年度に比べて0.5ポイント減少しております。 職種別に見ると、一般行政は5.0倍となっておりますが、一部の技術系職種においては、競争倍率が2倍を下回るなど、受験者数の確保が厳しい状況となっております。 この主な要因としましては、少子化の進行による受験年齢人口の減少はもとより、民間企業の採用意欲の高まりや、国及び他の地方公共団体との競合等があると考えております。
◆(
野﨑幸士議員) 何年も技術職を中心に受験者数が減少しているようですが、この応募状況をどう捉えているのか、人事委員長にお伺いします。
◎人事委員長(佐藤健司君) 直面する新型コロナウイルス感染症対策や、激甚化する自然災害への対応など、複雑化・高度化する行政課題に的確に対応していくためには、優れた資質と意欲を持った、多様で有為な人材を継続的に確保していくことが大変重要であります。 近年の競争倍率の状況を見ると、優秀な人材の採用への影響が危惧されることから、一定の受験者数を確保していく取組が必要であると考えております。
◆(
野﨑幸士議員) 全国でも本県と同じように、人材採用に苦慮されているようですが、自治体によっては、採用試験に向けた工夫と様々な取組を行っているようです。 本県の採用試験の受験者を確保するための対策(工夫)を、人事委員長にお伺いいたします。
◎人事委員長(佐藤健司君) 人事委員会では、令和2年度から一般行政の特別枠区分において、また、令和3年度から全ての技術系職種において、従来のような公務員試験対策が不要で、多くの民間企業で採用されているSPI3試験を導入し、新たな受験者層の掘り起こしや合格発表の前倒しを図るなど、社会情勢に応じた試験制度の見直しを行っております。 加えて、県の仕事ややりがいを若手職員が直接紹介する県庁ナビゲーターの取組や、高校・大学等での説明会の開催、任命権者によるインターンシップの実施などを通して、県職員として働く魅力をPRし、受験者の確保に取り組んでいるところであります。
◆(
野﨑幸士議員) 都城市では、説明会や受験申込み、面接試験のオンライン化など、採用活動の包括的なデジタル化に取り組んでいるようです。 さらに他の自治体の取組等も調査研究しながら、受験環境の充実や県庁職員の魅力発信等に尽力していただくことを要望いたします。 冒頭の答弁にもありましたように、技術職員の採用が厳しい傾向にあるようです。特に、道路や河川をはじめとした
インフラ整備や維持管理、また災害時に被災した建物の調査や復旧計画策定等で要となる、専門知識を持つ技術職員ですが、総務省によると、土木系技術職員は2000年の時点で18万人を超えていましたが、2020年には13万人台に落ち込んでいるとの報告もあるようです。 そこで、本県の技術系職員採用試験の実施状況について、人事委員長にお伺いします。
◎人事委員長(佐藤健司君) 令和4年度大学卒業程度採用試験の技術系職種全体の競争倍率は2.0倍と、前年度に比べて0.7ポイント減少しております。 特に、民間企業等との競合の激しい土木は1.4倍、建築は1.5倍、農業土木は1.7倍となっており、これらの技術系職種は近年、こうした競争倍率が低い状況が続いております。
◆(
野﨑幸士議員) 大変厳しい状況のようですが、懸念されるのが大規模災害への対応です。 大規模な災害時には、全国の自治体から応援職員が派遣され、被災地の復旧・復興を支援します。想定されている南海トラフ地震では、2年程度にわたり派遣可能な技術職員は1,000人程度が必要とされていますが、今年4月時点で総務省に報告された都道府県の派遣可能な技術系の職員は、計210人と約2割にとどまっています。 一昨年の熊本豪雨の被災地では、要望数の3分の2程度しか応援の応募のない自治体もあり、復興事業の長期化が懸念されています。 このようなことからも、技術系職員の受験者数を確保することは重要と考えますが、その対策について人事委員長にお伺いいたします。
◎人事委員長(佐藤健司君) 特に人材の確保が厳しい状況にある土木、農業土木の2職種について、今年度から特別枠区分を新設し、合格発表の前倒しを図るとともに、理工系の学生が受験しやすい試験内容に見直したところであります。 また、土木等の6職種について、仕事のやりがいなどを紹介する動画を作成し、採用案内ホームページでの公開や各種説明会で活用するなど、県職員の魅力や働きやすさが具体的に伝わるよう、広く発信しているところです。 今後とも、任命権者と連携を図るとともに、最近の受験状況などを検証しながら、社会情勢の変化に対応した試験制度の見直しや、広報活動を一層強化していくことを通じ、技術系人材の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
◆(
野﨑幸士議員) 激甚化する災害、国が進めている国土強靱化対策等を見ても、技術系職員の活躍がますます求められますので、他の自治体が行っているPRや、試験方法の工夫等を調査研究していただいて、技術系職員の確保につながるよう要望いたします。 ここまで、採用試験の現状や試験環境、対策等について質問してきましたが、職員採用試験の受験者を増やすためには、働きやすい職場環境づくりも大事と考えます。どのように取り組まれているのか、総務部長にお伺いいたします。
◎総務部長(渡辺善敬君) 本県では、「みやざき行財政改革プラン」のほか、「宮崎県特定事業主行動計画」を策定しまして、働きやすい職場環境づくりに向け、ワーク・ライフ・バランスの推進等に取り組んでおります。 このうち、仕事と子育ての両立につきましては、出産・育児休業等の制度を整備した上で、希望する取得計画を事前に上司と共有する「子育てマイプラン」を活用するなど、積極的に取得を推進しておりまして、令和2年度の総務省調査によりますと、育児休業取得率は女性が100%、男性が19.9%で、男性の取得率は都道府県の中で第3位となっております。 また、テレワーク環境の整備や時差出勤の実施による柔軟な働き方を推進しております。 令和3年度に実施した働き方改革に関する職員アンケートでは、「家庭や自分のために時間を使えている」という回答が、前年度より増えております。 これらの取組を含め、引き続き働きやすい職場環境づくりに努めてまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 答弁の中に、育児休業の話が出ました。それに関する法律が育児・介護休業法です。 この法律は、令和3年に改正、今年の4月1日より段階的に施行していくこととされています。少子高齢化をはじめ、共働き世帯が増えたにもかかわらず、女性の家事・育児の負担が大きいことを背景に、育児や介護と仕事を両立しやすい職場環境を整えるために定められた法律です。特に今回の改正は、育児休業に焦点を当てた改正になっているようです。様々な事項が段階的に義務化されます。 なお、地方公務員にとっても同様に、育児休業法が改正されたとのことです。県職員の育児休業取得状況は、答弁にあったように、女性は100%、男性は全国第3位の19.9%と、実績はあるようですが、まだまだ男女の差が大きいのが現状です。男性職員のさらなる育児休業取得に向けた取組を進め、女性や若者の働きやすい環境が整った県庁であることが、職員採用試験に応募する際の大きな魅力の一つだと思いますので、しっかり取り組んでいただくことを要望いたします。 さて、職員のトップである知事は、どのような認識を持って職員の働きやすい職場環境づくりに取り組まれているのか、お伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) 知事に就任して以降、様々な課題に直面してまいりましたが、これらに何とか対処してこられましたのも、県議会をはじめとする県民の皆様の御理解と御協力に加え、県職員の努力のたまものであると、そのように考えております。 私は、職員の皆さんが、高い志と使命感を持って日々職務に懸命に取り組んでいることに心から感謝し、共に仕事をしてきたことを大変誇りに感じているところであります。 特に、現在のコロナ禍に対しましては、各保健所や県立病院をはじめ全庁体制により対応しているところでありますが、長引くパンデミックにより、県民の間に強い不安が広まり、先行きを見通すことが非常に困難な状況の中で、職員の皆さんには、これまでにない大変な苦労をかけておりまして、改めて感謝の思いを強くしております。 「行政は人なり」と言われますが、様々な課題に的確に対応し、本県の発展や県民の福祉向上につなげるためには、県職員一人一人が持てる力を最大限発揮することが大切であり、そのためにも、職員の働きやすい職場環境をつくっていくことが大変重要であると考えております。 今後とも、職員一人一人が、やりがいを持って働くことができる職場環境づくりを進め、職員とともに、県民の皆様の期待に応えるべく、しっかりと取り組んでまいります。
◆(
野﨑幸士議員) トップである知事が、職員に対して感謝の気持ちを持ち続けることは、非常に大事だと思います。これからも、どんな災難が起こるか分かりませんが、そのとき、そのときに、知事と職員の信頼関係の下、もちろん我々議員もですが、一丸となってその解決のために邁進できるような職場環境をつくっていただきたいと思います。 このような知事の姿勢が、採用試験の応募者増につながっていくと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、災害対策について質問します。 今年の7月、8月は、台風や相次ぐ線状降水帯の発生等によって、全国各地で局地的な大雨が降り、特に風水害の少ない東北地方で甚大な災害が発生しました。全国各地で被災された方々にお見舞いを申し上げ、早期の復興を祈念いたします。 本県は幸いにして、今年は甚大な風水害は起きていませんが、先ほどのように、全国では各地で甚大な自然災害が起きています。また、政府は、南海トラフ地震の40年以内の発生確率を90%程度と発表し、地震や津波による大きな被害が広範囲に予想されています。90%ですから、南海トラフ地震はいつ発生してもおかしくありません。いつどこで起きるか分からない自然災害、災害が起きるたびに、その教訓として、人命と財産を守る備えが構築されてきているわけですが、最近の状況を踏まえて、順次、災害時における対策について質問を進めてまいります。 まず、避難についてであります。災害の危険が迫ると、住民はまず目の前の命を守るための緊急的避難として、津波避難タワーのような指定緊急避難所、避難場所へ避難することとなると思います。その後、自宅の安全が確認された方は自宅へ戻れますが、大規模災害になれば、自宅が倒壊するなどの被害に遭った被災者が多数おられ、その方々の多くは避難所で生活することになります。 災害対策基本法によりますと、市町村長は、想定される災害の状況、人口の状況等を勘案し、法で定めた基準に適合する公共施設等を指定避難所として指定することになっています。そして、指定された避難所には様々な方々が一堂に避難されてきますが、高齢者や障がいがある方、妊産婦、乳幼児等のように、一般の方とは同じ避難生活を続けることが困難な方もいます。 避難所も幾つかの種類があると聞いていますが、県内にはどのような避難所が何か所あるのか、
危機管理統括監にお伺いいたします。
◎
危機管理統括監(横山直樹君) 被災者等を一時的に滞在させるため、災害対策基本法に基づき市町村が指定する県内の避難所は、今年8月1日現在で1,299か所であります。 このうち、広く被災者等を受け入れる「指定一般避難所」は、学校や地区の集会所など1,231か所、高齢者、障がい者、乳幼児など特に配慮を要する方を受け入れるためのバリアフリーや相談支援体制など、環境がより整備された「指定福祉避難所」は68か所であります。 このほか、法に基づくものではございませんが、要配慮者の避難所として活用することについて、市町村と個別に協定を締結した老人福祉施設等が229か所ございます。
◆(
野﨑幸士議員) 引き続き、避難される方がそれぞれの立場で安心して避難生活を続けやすい避難所の増設に努めていただくことを要望します。 さて、災害の際に様々な方が一堂に避難する避難所ですが、今懸念されるのが新型コロナの対応です。避難所における新型コロナ感染対策について、福祉保健部長にお伺いいたします。
◎福祉保健部長(重黒木 清君) 避難所における感染症対策としましては、従前から、手指消毒や換気の実施、共用部分の清掃や消毒など、徹底した衛生管理を行うこととしております。 新型コロナにつきましては、オミクロン株による感染急拡大によりまして、自宅療養者が急増している中、多くの陽性者が避難所に避難することも想定されるため、よりきめ細かな感染対策が必要となってまいります。 このため県では、今年6月に新型コロナウイルス感染症に係る避難所運営ガイドラインを改定し、自宅療養者の避難スペースの確保等の具体的な運営方法について、市町村に周知を図ったところでございます。 また、保健所におきましては、自宅療養者が避難する際の留意事項を平時から情報発信するとともに、市町村が行う感染対策やゾーニング、消毒時の注意点等について助言を行っております。
◆(
野﨑幸士議員) 引き続き、安心して避難できる対策を講じていただくよう要望いたします。 次に、災害救助法では避難所の開設期間を、例えば学校であれば、本来の目的である教育の場としてできるだけ早期に再開することが望まれるように、各自治体の避難所開設期間を1週間と定めていますが、大規模災害では、自宅倒壊等により長期に避難生活が必要な方も多数発生します。 災害により避難生活を送っている被災者に対して、応急的な住宅をどのように提供するのか、県土整備部長にお伺いします。
◎県土整備部長(西田員敏君) 被災された方々に対する応急的な住宅の提供につきましては、宮崎県地域防災計画に基づき、まずは、県と市町村による公営住宅等の空き家活用や、県による民間賃貸住宅の借り上げを行い、それが不足する場合には、県が応急仮設住宅を建設することとしております。 応急仮設住宅の建設用地につきましては、県内各市町村において、公園などの公共用地を活用し、現在約4万6,000戸分が確保されており、さらに県においては、応急仮設住宅を速やかに建設できるよう、一般社団法人プレハブ建築協会など関係団体と、災害時における協定を締結しております。 今後とも、市町村や関係団体と連携を図り、災害発生時における被災者の居住の確保に努めてまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 災害時における被災者の住居の確保は、被災者の健康維持や、不安やストレスといった心理状況を落ち着かせる効果にもつながります。最近は、車中泊を選択される方も多くなり、課題となっているようです。 避難された方が人間らしい生活を速やかに確保できるよう、さらに災害時の住居確保に努めていただくことを要望いたします。 次に、避難所において心配されるのが備蓄です。県では、南海トラフ地震などの大規模災害に備え、宮崎県備蓄基本指針を定め、県民へ備蓄を促すとともに、県、市町村には指針に基づいた備蓄に関する計画を策定し、計画に沿った備蓄の推進に努めることとされています。 大規模災害が発生した場合、県内では相当数の避難者が発生することが想定されますが、県及び市町村の備蓄の取組について、
危機管理統括監にお伺いいたします。
◎
危機管理統括監(横山直樹君) 本県では、平成28年に策定した宮崎県備蓄基本指針に基づきまして、発災後3日間で必要となる食料や毛布、携帯・簡易トイレなどを、県と市町村で3分の1ずつ、計画的に備蓄しております。 県の備蓄物資につきましては、防災庁舎や元県立高校の校舎など、県内8か所で保管しておりますが、スペースの不足や効率的な搬出入が困難であることから、現在、専門家の御意見をいただきながら、拠点となる施設の整備を検討しているところでございます。 また、現在の指針では、避難所への避難者を対象に備蓄をしておりますが、車中泊など避難所以外での避難者も備蓄の対象に加えるよう、指針の改定作業を進めているところでございます。
◆(
野﨑幸士議員) 答弁にありましたように、令和2年5月に改定された国のプッシュ型支援の対象者が、避難所避難者に加えて、車中泊者などの避難所外避難者も対象となりましたので、引き続き備蓄の取組を進めていただくことを要望いたします。 先ほどありましたように、県の備蓄基本指針では、発災後3日間、必要な食料等を市町村とともに備蓄することとなっておりますが、大規模災害が発生した場合は、被災者が長期にわたって避難所での生活を余儀なくされる事態も想定されます。 避難生活が長期化した場合における被災者への物資供給はどのようになるのか、
危機管理統括監にお伺いいたします。
◎
危機管理統括監(横山直樹君) 大規模災害が発生した場合、本県では宮崎県備蓄基本指針に基づきまして、発災後3日間は県民、県及び市町村が備蓄する物資で対応することとしております。 4日目以降につきましては、避難生活に必要不可欠と見込まれる物資を被災自治体からの要請を待つことなく供給する「プッシュ型支援」や、要請された物資を供給する「プル型支援」により、供給された物資を一旦県で受け入れ、市町村を経由して被災者へ届けることになります。 このほか、スーパーやコンビニエンスストア、ホームセンターなどとの協定に基づき、必要な物資を調達し、供給することとしております。
◆(
野﨑幸士議員) 備蓄用の支援物資の管理や、運ばれてくる物資の受入れなどを行う拠点施設の整備を検討しているとのことでしたので、ぜひスピードを上げて進めていただくとともに、物資が被災者のところへ届くまでの輸送手段確保と、災害規模によっては膨大な物資が必要となることが想定されますので、各店舗、企業との協定もさらに進めていただくことを要望します。 次に、備蓄食料品のアレルギー対策についてですが、政府は今年6月に見直した国の防災基本計画で、アレルギーに対応した食料の備蓄を、自治体の努力義務として初めて明記しました。 実際、過去の被災地では、自治体が備蓄していた非常食や、避難所に届けられた支援物資が食物アレルギーに対応しておらず、アレルギーのある方が食料の確保に苦労したり、その非常食を口にしたアレルギー体質の避難者が命の危険にさらされる事態が生じたこともあって、災害時に食事に不安を覚えて避難をためらったりするケースが生じています。 もちろん、食物アレルギーがある方は、個人で備蓄等の対応を講じることも必要だと思いますが、自治体による備蓄においても、食物アレルギーのある方への配慮が必要と考えます。 そこで、本県の備蓄品のアレルギー対応について、
危機管理統括監にお伺いいたします。
◎
危機管理統括監(横山直樹君) 食物アレルギーを持つ方は、各自でそれぞれの状況に応じたアレルギー対応食を準備していただくことが基本でありますが、様々な理由により、それが困難な場合も想定されます。 このため県では、備蓄用の食料と育児用ミルクにつきましては、食物アレルギー体質を持つ方の割合を考慮いたしまして、一定割合をアレルギー対応のものとしております。 議員の御指摘にありましたように、国の防災基本計画におきまして、食物アレルギーに配慮した食料の確保等が自治体の努力義務とされたことから、これを県の備蓄基本指針や地域防災計画に反映させるとともに、市町村に対して周知・指導を行ってまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 避難が必要な方がためらうことのないよう、しっかり取り組んでいただくことを要望します。 次に、過去も質問しましたが、モバイルファーマシーについて質問します。 モバイルファーマシーとは、キャンピングカーを改造して調剤室を備えた、医師の処方薬を提供できる車両のことで、大規模災害時に医薬品を必要とする被災者の方々に、自立的に調剤して処方薬を提供することができます。 平成28年4月の熊本地震では、大分県、和歌山県、広島県の3県からモバイルファーマシーが出動し、被災地で活躍しました。その活躍が評価され、薬剤師会や大学を中心に、全国で20台ほど導入されているそうです。 今後、本県においても、大規模災害が想定される中で、災害への備えとしてモバイルファーマシーが必要ではないかと考えますが、福祉保健部長に見解をお伺いします。
◎福祉保健部長(重黒木 清君) モバイルファーマシーは、災害時において、被災した薬局の代わりに被災地で調剤作業と医薬品の交付を迅速に行うことができることから、避難所等での医薬品の供給方法として有効であるものと考えております。 一方で、平常時の利活用の方法などで課題もありますが、既に導入している地域では、防災訓練や大学の学生実習、さらには小学校等での職業体験として活用されている事例もありますことから、これらを参考に、今後も県薬剤師会と意見交換を進め、引き続き、支援の在り方等について検討を行ってまいりたいと考えております。
◆(
野﨑幸士議員) 現在、九州では福岡県、熊本県、大分県に導入されています。平時の維持管理など課題もあると思いますが、導入に向けて検討されることを要望いたします。 さて、過去に各地で起きている大規模災害を見てみますと、倒木による電線の破損や電柱が倒れるなどして、道路交通の妨げによる復旧作業の遅れや大規模停電をもたらしています。 このような状況を鑑みますと、電線の地中化、無電柱化を進めていくべきと考えますが、現状と今後の取組について、県土整備部長にお伺いいたします。
◎県土整備部長(西田員敏君) 無電柱化につきましては、道路の防災性の向上をはじめ、安全で快適な通行空間の確保、良好な景観形成の観点からも大変重要な取組であります。 このため、県管理道路におきましては、緊急輸送道路や主要な駅周辺で、これまでに12路線、約13.6キロメートルの整備を行ってきたところであり、現在、県道宮崎島之内線の宮崎市瀬頭地区など、4路線5か所、約5.2キロメートルについて整備を進めております。 今後は、今年2月に改定した宮崎県無電柱化推進計画において、市街地を通る緊急輸送道路の無電柱化を重点的に進めることとしたところであり、
県立宮崎病院西側の国道269号など7路線、約8キロメートルについて整備を行うこととしております。 県としましては、大規模な災害に備えるためにも、引き続き、電線管理者等と連携しながら、無電柱化の推進に取り組んでまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 令和元年に起きた、台風15号による千葉県内を中心とする大規模な停電により、約2,000本の電柱が倒壊や破損し、停電の完全復旧に半月もかかり、熱中症などで亡くなる方が相次ぎました。 このような被害を受け、無電柱化に関心が高まったようですが、調べてみますと、1キロメートル当たり約4億円から5億円の高いコストがかかること、電力会社、通信会社等との調整が困難であること、また工事期間の長期化等がその普及を阻む原因となっているようです。 厳しい財政状況の中で、促進を図ることは容易ではないと思いますが、無電柱化によって、防災をはじめ、景観の向上、安全・安心な生活等にもつながりますので、推進していただきますよう要望いたします。 次に、災害廃棄物の処理について質問します。 災害時には、人命救助や救援物資運搬、復旧作業や衛生的な生活が早急に求められますが、災害時に発生する膨大な災害廃棄物の処理の遅れがそれぞれを阻害することを鑑みますと、この災害廃棄物処理対策も重要と考えます。 災害時に発生する膨大な災害廃棄物への対策について、環境森林部長にお伺いします。
◎環境森林部長(河野譲二君) 災害時に発生する膨大な廃棄物については、市町村において速やかに仮置場を設置し、分別を行った上で焼却や埋立てを行うなど、通常のごみ処理とは異なる対応となります。 このため県では、市町村に対し、職員の対応力向上のための研修会や、大規模災害を想定した図上演習の実施、災害時の行動マニュアルの策定支援などに取り組んでいるところであります。 また、産業廃棄物処理や解体工事の事業者団体との協定締結など、官民連携の広域処理体制の構築を図っており、県の協定締結を契機として、本年7月までに全ての市町村が、関係団体と災害廃棄物の処理に関する連携協定を締結したところであります。 県としましては、引き続き市町村や関係団体と連携し、災害廃棄物の処理が迅速かつ円滑に進められるよう取り組んでまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 熊本地震の際に、私も宮崎の処理業者の方と、災害廃棄物がまず持ち込まれる仮置場の現場に視察に行きました。 仮置場の地面には何百枚もの鉄板が敷かれていて、次々と軽トラやトラック等で災害廃棄物が持ち込まれ、長蛇の列ができる混乱した現場で、畳や電化製品、瓦礫等の分別のルートに沿って、入り口で車を誘導しておりました。 被災された住民が仮置場に災害廃棄物を持っていく際に、事前に分別して持ち込むことを徹底して周知しておくことが、仮置場での混乱を避けるために最も重要なことだなと思いましたし、先ほど述べたような地面に敷く鉄板一つにしても、本当に現場で何が必要なのか、手配しておくべきかを再度、関係機関、関連団体と事細かに煮詰めていただくよう要望します。 こういった、実際現場で采配された方に講師として来ていただいて、生の研修会等を開催することも大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、堤外民有地について質問します。 御存じのとおり、堤防から見て河川のある側を堤外地、堤防から見て住宅のある側を堤内地といいます。この堤外地にある民有地のことを一般に堤外民有地と呼んでいます。 堤外民有地は、当該土地の所有者に対して、補償することなく無断で工事を行うことはできず、当該堤外民有地の買収を行わなければなりません。 本県にも多数存在する堤外民有地の現状と対応について、県土整備部長にお伺いいたします。
◎県土整備部長(西田員敏君) 議員御指摘のとおり、堤外民有地は、河川区域内にある民有地であり、多くの河川にありますが、災害復旧や河川工事を行う場合、他の公共事業と同様、用地を取得する必要があります。 しかしながら、堤外民有地につきましては、所有者が不明の土地や共有地、さらに字図混乱地などが多く、用地境界の確定や用地交渉に多大な労力と時間を要している状況にあります。 河川整備を進めることは、県民の生命と財産を守り、災害に強い県土づくりを進める上で大変重要でありますので、引き続き、不在者財産管理人制度などを活用しながら、用地取得に取り組んでまいりたいと考えております。
◆(
野﨑幸士議員) 国会においても堤外民有地の問題は、私が調べる限りでは、昭和40年の参議院建設委員会から幾度となく議論がなされていますが、結論には至っていません。 しかし、最近起こった河川の氾濫等を見ても、河川整備が重要と考えますし、国が進めている国土強靱化加速化対策等の中で、この堤外民有地の取扱いについても議論され、何らかの方向性が出ることを期待します。 今、国民の生命財産を守り、安全・安心な暮らしを支える社会インフラの構築を目指し、国土強靱化が進められています。県におきましても、平成30年度から「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に引き続き、令和3年度から「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」によって、県土の強靱化に欠かすことのできない重要な
インフラ整備が着実に実施されております。 そこで、これまでの国土強靱化5か年加速化対策の取組状況について、県土整備部長にお伺いいたします。
◎県土整備部長(西田員敏君) 5か年加速化対策では、高速道路のミッシングリンク解消や4車線化などの、災害に強い道路ネットワーク機能の構築や、流域治水対策、インフラ老朽化対策などを中心に、本県におきましても、様々な取組を進めております。 特に都城志布志道路では、国土強靱化予算により、令和6年度に県内区間において全線開通の見通しが立ったところであり、災害時には人流・物流のネットワークとして機能することが期待されます。 また、油津港では、岸壁耐震化工事が昨年度完成したことにより、県内の3つの重要港湾において耐震強化岸壁が整備され、震災時における緊急物資の安定的な供給ルートが確保できました。 さらには、県内河川の河道掘削を集中的に実施することで治水安全度が向上するなど、県土の強靱化は着実に進んでいるところであります。
◆(
野﨑幸士議員) 5か年加速化対策により
インフラ整備が着実に進んでいることは、よく分かりました。 一方で、高度成長期以降に集中的に整備されたインフラが、今後一斉に老朽化することから、その対策についても、県土の強靱化を図る上で着実に実施していかなければならないと思います。 特に、その中でも著しく財政負担が増大していくことが懸念されるのが、橋梁の維持管理です。調べたところ、平成24年に発生した笹子トンネルの事故を受け、国交省は、全国の橋やトンネルについて、自治体などに平成26年度から、5年に1回の橋梁の定期点検を義務づけ実施しています。 全国を見ますと、自治体が管理する橋については、今年3月末の時点で、およそ6万3,000か所で修繕が必要と判定されていて、その5割を超えるおよそ3万4,000の橋では、修繕が終わっていない状況のようですが、県が管理する橋梁の老朽化対策の進捗状況について、県土整備部長にお伺いいたします。
◎県土整備部長(西田員敏君) 現在、県が管理する橋梁は2,025橋ありますが、10年後にはその約6割以上が建設から50年を超えることから、老朽化対策が急務となっております。 このため県では、平成22年に全国に先駆け、橋梁の長寿命化修繕計画を策定し、5年に1回の定期点検を継続して行うとともに、計画策定の時点で早急に措置が必要と診断した529橋の対策を進めており、これまでに、国土強靱化関連の予算を活用し、その約7割に当たる386橋が完了したところであります。 今後は、残る約3割の橋梁の対策を重点的に進めるとともに、点検で確認された損傷が軽微な橋梁についても、計画的に予防保全措置を行い、橋梁の老朽化対策にしっかりと取り組んでいきます。
◆(
野﨑幸士議員) 橋梁の老朽化対策についても、5か年加速化対策により進んでいるようで、少し安心したところでございますが、国が5年に1回の橋梁の定期点検を義務づけていることを鑑みますと、また新たに修繕等が必要な橋梁が増えていくことが考えられますので、策定した計画を着実に遂行しながら、しっかり橋梁の老朽化対策に努めていただくことを要望いたします。 これまでの質問のように、災害リスクが高く、必要な
インフラ整備が遅れている本県にとって、取組を推進するためには、今後も予算確保というものが重要になると思います。 現在進められている5か年加速化対策は、令和7年度までの計画になっておりますが、始まって2年で総額15兆円の約半分が執行されており、場合によっては前倒しして予算措置が終わるのではないかという懸念があります。 当然のことながら、5か年という短い時間で県土強靱化に必要な取組を全て実現することはできず、中長期的視点に立った目標に基づく対策を、今後も着実に進めていくことが必要であると考えます。 そこで、国土強靱化5か年加速化対策後も持続的、安定的に対策を進めることが重要だと考えますが、必要な予算の確保に向けた取組について、知事にお伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) 災害リスクの高い本県におきまして、高速道路のミッシングリンク解消など、県土強靱化に欠かすことのできないインフラの整備は、いまだ道半ばでありまして、議員御指摘のとおり、今後も持続的、安定的に対策を進めていくことが大変重要であると考えております。 このため、私としましては、全国知事会の
地方税財政常任委員長という立場で、また国土強靱化の有識者会議であります「ナショナル・レジリエンス懇談会」の地方自治体の代表委員として、国土強靱化の取組はこれからも継続的に行わなければならないと、国に対して強く訴えてきたところであります。 今年6月に閣議決定されました、いわゆる骨太の方針におきまして、5か年加速化対策後も、中長期的かつ明確な見通しの下、国土強靱化の取組を進めていくことの重要性が示されたところであります。 今後とも、私に与えられている立場を最大限に生かしながら、国土強靱化予算の必要性を国に強く訴え、県民の命と暮らしを守るため、私が先頭に立って、必要な予算の確保に全力で取り組んでまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 先ほども申しましたけど、知事は、全国知事会
地方税財政常任委員長として、国の意思決定に対して、全国を代表して意見を述べる立場にあります。 また、今年4月26日に開催された「ナショナル・レジリエンス懇談会」においては、全国の代表として、「高規格道路の整備、河川の掘削、港湾の耐震岸壁整備など、強靱化の効果は目に見えて現れている。しかしながら、激甚化・頻発化する豪雨災害や南海トラフ地震など災害リスクは高く、強靱化の幹となる部分ができていない。このため、引き続き安定した予算が必要である」と発言されています。本当に、国に対して国土強靱化事業の継続を訴える強いメッセージだと思います。このように、今後とも知事におかれましては、強いリーダーシップを発揮され、国土・県土の強靱化に尽力されることを強く要望いたします。 次に、交通対策についてお伺いします。 人口減少や少子高齢化の進展に加え、新型コロナの影響により、県内の地域公共交通を取り巻く状況は非常に厳しいものとなっております。このうち、複数の市町村をまたぐ地域間幹線バスについては、今年6月末に開催された県バス対策協議会において、宮崎交通が、これまでの「赤字額の全額補填がなければ路線の廃止」という主張を見直す考えを示したことから、今後、引き続き、地域ごと、路線ごとに持続可能なバス路線網とするための協議・検討が進められることとなっております。 一方、鉄道につきましては、九州西側は、九州新幹線鹿児島ルート全線開業に加え、今年9月には西九州新幹線の開業予定と、鉄道網の整備が着実に進展している一方、本県を含む東九州においては、平成30年に大幅な減便が実施され、東西格差が拡大しています。また、今年3月には窓口業務の時間短縮など駅体制が見直されており、地域間幹線バスと同様、路線の維持・確保に大きな危機感を持っているところです。 そのような中、先日、JR九州は、利用者数の少ない線区について収支等を公表したようですが、県内の鉄道の状況について、
総合政策部次長にお伺いいたします。
◎
総合政策部次長(川北正文君) JR九州は、8月25日に、平均通過人員が2,000人未満の線区について、令和3年度の収支を公表したところであります。 県内の主な線区の状況としましては、まず日豊本線の佐伯-延岡間が、平均通過人員1日431人で約6億5,900万円の赤字、同じく都城-国分間は、1日830人で約4億1,500万円の赤字となっております。 次に吉都線は、1日397人で約3億4,100万円の赤字となっており、日南線につきましては、昨年、台風14号による大雨の影響により、9月16日から12月11日までの間、運休となったことから、平均通過人員、収支ともに公表されておりません。
◆(
野﨑幸士議員) 新型コロナの影響を受け、利用者数の減少、収支の悪化が続いているようですが、本県に限らず地方のローカル鉄道は、マイカーの普及や高速道路の整備、リモートワークの浸透などのライフスタイルの変化により、その存続が危ぶまれています。 そのため国が、今年2月から有識者検討会で検討を重ね、7月末に取りまとめた提言によれば、JR各社は、これまで同様、路線の適切な維持に努めることを前提としながらも、利用者数が著しく減少しており、広域的に調整が必要な線区については、国が中心となって、その在り方を協議する場を設置することとなっております。 具体的には、平時における輸送密度が1,000人未満で、かつピーク時の1時間当たりの輸送人員が500人未満となる線区が、この協議会の対象とされておりますが、本県では、JR吉都線やJR日南線の一部線区等がこの基準に該当する可能性があり、今後の動向が大変危惧されるところです。 そこで、今回の検討会の提言を受け、県として今後どのように対応していくのか、
総合政策部次長にお伺いいたします。
◎
総合政策部次長(川北正文君) 今回の提言は、利用者数が著しく少ない線区について、鉄道事業者または自治体の要請を受け、国が中心となって、在り方を協議する場を設けるというものでありますが、県としましては、今後、国の対応を十分注視しながら、路線の維持・存続という方針の下、沿線自治体と一緒になって利用促進に努めてまいります。 また、特に平均通過人員の少ない日南線の油津-志布志間につきましては、被災した際に災害復旧が難しい場合など、様々な事態を想定し、どういった対応が考えられるのか、沿線自治体とともに研究をしているところであり、引き続き取組を進めてまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 沿線自治体と一緒になって、利用促進に全力で取り組んでいただくとともに、人口減少や突発的な被災等も見据えた将来の在り方についても、今のうちにしっかりと地元と議論していただきたいと思います。 次に、
宮崎カーフェリーについてですが、今年4月15日に、約25年ぶりに新船「フェリーたかちほ」が就航しました。また、もう一隻の「フェリーろっこう」も、来月10月4日火曜日に就航します。 新船2隻は、車両積載量、個室が大幅に増え、多様な旅行形態に対応しており、物流や観光振興の一翼を担う本県経済の生命線と位置づけられ、大きな期待がされているところです。 来月から、「たかちほ」と「ろっこう」の新船2隻での就航が始まるわけですが、長距離カーフェリー航路への期待、展望について、
総合政策部次長にお伺いいたします。
◎
総合政策部次長(川北正文君) 長距離フェリーにつきましては、本年4月に1隻目の新船が就航し、コロナ禍や燃料高騰の影響がいまだ大きい状況にありますが、1隻目の就航以降、旅客数は前年度比で約2.6倍に増加するなど、既に一定の効果が現れております。 このような中、本年10月には2隻目も就航いたしますので、さらなる旅客の拡大に加え、物流面におきましても、本県の農産物輸送が本格化する冬場の最盛期に合わせて2隻体制となることで、より多くの貨物が積載できるなど、今後の需要拡大が期待されており、現在、会社では、新船の強みを生かした営業活動に取り組んでおられます。 県としましても、本県経済の生命線である宮崎-神戸航路を将来にわたってつなげていくため、新船就航を契機として、本県の物流や観光の発展に向けて、引き続き、オール宮崎の体制で、航路の維持・充実に積極的に取り組んでまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 今回は、鉄道と長距離フェリー航路について質問しましたが、交通対策の最後の質問として、本県における総合的な公共交通の現状をどう捉え、今後どう発展させていくお考えなのか、知事にお伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) 新型コロナや燃料高騰などの影響を受けまして、全ての公共交通機関において、利用者の減少とそれに伴う減便が続いておりまして、交通事業者の経営は非常に厳しい状況にあるものと認識しております。 そのような中、バスや鉄道、フェリー、飛行機等の公共交通は、県民生活のみならずビジネスや観光を支える重要な基盤であります。効率的で利便性の高いネットワークを構築することにより、その機能が十分発揮されるものと考えているところであります。 このため、県におきましては、コロナ禍のこの2年間、運賃割引や資金繰り、高騰する燃料費への支援など、交通事業者の経営安定化に積極的に取り組むとともに、今議会にお願いしております
宮崎再生基金も活用しながら、旅行・交通需要の早期回復を図っていくこととしております。 その上で、今後も引き続き、県民が安心して暮らすことのできる環境整備はもとより、県内経済のさらなる飛躍に向けまして、その土台となります陸・海・空の総合的な公共交通ネットワークの維持・充実に取り組んでまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 公共交通は、本県全ての生活や産業につながっていますので、これからもしっかり取り組んでいただくことを要望します。 また、早速今月の2日に、本県の公共交通の維持や活性化を図るため、新たに県地域公共交通協議会が発足したと伺っております。市町村、交通事業者、利用者等と議論を重ねられ、持続可能な公共交通の確立に向けて、着実に取り組んでいただくことを要望いたします。 次に、観光対策について質問します。 東京商工リサーチが全国の企業を対象に、新型コロナの影響に関するアンケート調査を4月に行った結果、今年3月の売上高が、コロナ禍前、2019年同月の「半減以下」とする企業の割合は、業種別で宿泊業が50%と最も多く、借入金の返済見通しを「現在懸念がある」とする企業の割合も、宿泊業がワースト1位と公表し、新型コロナの影響を最も大きく受けている業種であることが示されました。 7月に開催した商工建設常任委員会において、本県観光関連団体と意見交換を行い、コロナ禍における現状と課題、要望等の説明を受け、大変厳しい現状を改めて確認したところです。 そこで、本県観光の現状と今後の対策について、
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(横山浩文君) 新型コロナの長期化によりまして、宿泊業や旅行業など県内の観光産業は大きな影響を受けており、本県の観光は、かつて経験したことがないほど厳しい状況に置かれております。 このため県では、県内宿泊事業者の感染防止対策を支援することにより、安全・安心な受入れ環境の整備を進めますとともに、県内旅行割引事業でありますジモ・ミヤ・タビキャンペーンや、教育旅行への支援などを実施し、県内旅行需要の喚起を図っているところでございます。 今後は、新型コロナの感染状況を見極めながら、誘客の対象を全国へ広げ、食や自然、神話、恵まれたスポーツ環境など、本県の強みを生かした観光誘客に積極的に取り組んでまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 県も、本県の観光はかつて経験したことのないほど厳しい状況と、本県観光関連団体と同じ認識のようですが、国内では微量ではありますが、徐々に人の移動が出てきているように感じます。 一方、インバウンドを見ますと、6月10日、外国人観光客受入れが2年2か月ぶりに再開されました。宿泊業界にとっては朗報ですが、先ほどあったように、新型コロナの影響で業界は大変なダメージを受けており、コロナ禍前とは大きく状況が異なっています。しかし、業界からは、インバウンド再開に大きな期待をする声も上がっています。 そこで、インバウンドの状況と今後のインバウンド対策について、
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(横山浩文君) 本県の外国人観光客は、令和2年度以降、新型コロナの影響により実質ゼロであり、大きな打撃を受けております。 今年6月から観光目的の入国が再開されましたが、国際線の運航が全国で7空港に限られていることや、入国者数の制限などから、7月の観光目的の入国者は7,903人にとどまっており、本県ではようやく8月に、福岡空港を利用した香港からの観光客20名が来訪したところでございます。 国では、入国者数等の見直しを進めており、今後、観光客の増加が見込まれますことから、今議会にお願いしておりますインバウンド緊急誘客再生事業によりまして、まずは韓国・台湾・香港を対象に、福岡空港等の他県空港を経由した誘客を図り、インバウンドの回復、さらには宮崎空港発着の国際定期便の早期再開につなげてまいりたいと考えております。
◆(
野﨑幸士議員) 今議会に提案されているインバウンド緊急誘客再生事業等によって、外国人観光客をまずはつなげておくこと、新型コロナが落ち着いて再開するであろう、国際クルーズ船及び国際定期航空路線の運航に向けての準備、取組を引き続き行っていただくことを要望いたします。 次に、MICEについて伺います。 MICEとは、企業等の会議、研修旅行、国際会議等の総称です。
MICE誘致は多くの集客が見込まれ、宿泊、飲食、観光等の消費活動の裾野が広く、一般的な観光客以上に経済効果を生み出すと期待されています。 本県においても、コロナ禍前には頻繁にMICEが開催されていましたが、新型コロナの影響で、
MICE誘致が大変難しくなっているのではないかと思います。 さらに、MICEを誘致しようとする都市間での競争が激しくなっており、MICEの誘致のためには、人と人とのつながり、人的ネットワークが大変重要であると伺っているところです。 そこで、MICEの開催状況と今後の誘致の取組について、
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(横山浩文君) 令和3年度のMICEの開催実績は、過去最低でありました前年度に続き、新型コロナによる延期や中止が相次いだことから、過去2番目に少ない38件、延べ参加者数1万2,458人となっております。 コロナ禍におきましては、規模の縮小やオンラインを組み合わせたハイブリッド方式などにより参加人数が減少したため、令和2年9月からMICE補助金の参加人数基準を引き下げますとともに、新たに企業研修の受入れ拡大のためのモデルづくりを進めるなど、小規模MICEの誘致にも取り組んでいるところでございます。 来年3月には、国内外から600名が参加予定のアジアゴルフツーリズム商談会の開催も予定されているところでありまして、今後とも、これまでに培ってきた人脈も最大限に生かしながら、国内外からの
MICE誘致に積極的に取り組んでまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 大事なことは、今まで本県でのMICE開催に関係してきた様々な方々とつながっておくことだと思いますので、そういった関係を壊さないように、しっかりつなぎ止めていただくよう要望いたします。 さて、本県では、来年の置県140年に合わせ、県出身者や県にゆかりのある方たちが一堂に集う県人会世界大会を、来年10月に初めて開催することにしていますが、宮崎県人会世界大会の開催に向けた取組状況と知事の所見をお伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) この県人会世界大会は、県人会の高齢化や世代交代によりまして、本県とのつながりが薄れていくことが懸念される中で、国内外の県人会の方々が一堂に会し、ふるさと宮崎を中心とした強固なネットワークを構築しようとするものであります。 その開催自体はもとより、開催後、そのネットワークを生かした本県の活性化に向けても重要な取組と考えております。 この大会に向けまして、これまで、官民一体となった推進組織を立ち上げ、大会の基本構想やキャッチコピーを決定しましたほか、大会パンフレットや動画の作成、ロゴマークの公募等の広報・PRも展開するなど、準備を進めているところであります。 7月には、国内13の県人会を集めた「ひなた県人会国内サミット」を初めて開催しまして、世界大会の開催に向けた、しっかりとした連携体制も築いたところであります。 今後も、市町村や関係団体等との連携を図りながら、県人会の皆様方に、改めてふるさと宮崎との絆を実感していただけるよう、大会に向けた準備を進めますとともに、交流人口の拡大や、本県のさらなるプロモーション展開など、開催の効果をしっかりと本県の活性化につなげていくことができるよう、取り組んでまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 国内外の県人会の皆様が一堂に会する大会ですので、非常に規模の大きい大会になると思いますし、宮崎人としての絆であったり誇りであったり、改めて郷土愛が再認識できる大会になると思います。宮崎の全てを世界に発信するような大会になるよう、取り組んでいただきたいと思います。 次に、本県観光の強みである伝統文化についてです。 本県には、200を超える神楽が継承され、それらのうち国の重要無形文化財の指定を受けているものが4件あります。これは全国でも最も多く、神楽は本県を代表する民俗芸能と言えます。 このような中、県が事務局となって、ユネスコ無形文化遺産登録を目指し、神楽の全国組織を発足させるという発表がありました。ユネスコへの登録が実現しますと、神楽の存在意義や文化的価値が世界に認められ、保存団体の継承意欲が高まり、地域の活性化や観光浮揚にもつながっていくものと考えます。 そこで、神楽のユネスコ無形文化遺産登録に向けた知事の意気込みについてお伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) 本県ではこれまで、記紀編さん1300年記念事業や国文祭・芸文祭などを通じまして、宮崎の宝であります神楽の振興に努めますとともに、将来にわたる保存・継承の機運を高めるため、ユネスコ無形文化遺産登録に向けて、国への要望活動を行ってまいりました。 神楽のユネスコ登録には、まずは全国各地の国指定神楽を一つにまとめる必要があります。このため、全ての関係自治体や保存団体に対しまして参加を呼びかけ、全国組織の設立に向けて取り組んでまいりました。いよいよ10月11日に、「全国神楽継承・振興協議会」の設立総会を東京で開催しまして、ユネスコ登録に向けた動きを加速することとしております。 少子高齢化や過疎化による後継者の不足、コロナウイルスの影響による中止や規模縮小など、神楽を取り巻く状況は厳しいものがございますが、本県が全国の様々な団体をリードしながら、一日も早いユネスコ無形文化遺産登録を目指して、より一層、取り組んでまいります。
◆(
野﨑幸士議員) こういった、地域に根差している独自の地域文化を守り継承していくことが、地域を持続的に守り発展させていくことにつながると思いますし、観光資源にもなりますので、登録に向けてしっかり取り組んでいただくことを要望します。 ここまで、観光対策についてるる質問させていただきました。県ではこれまで、新型コロナで大きな打撃を受けている本県観光を支えるため、ジモ・ミヤ・タビキャンペーンをはじめ、スポーツランドみやざきの推進等に取り組まれていますが、今後はさらに、国内外からより多くの観光客の皆さんに来ていただけるよう、力強く取り組んでいく必要があると思います。 知事は就任以来、観光振興に力を入れてこられたと思いますが、今後、観光宮崎のさらなる発展にどのように取り組まれていくのか、知事の所見をお伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) 私が知事に就任しました平成23年は、前年の口蹄疫に続きまして、新燃岳の噴火や
東日本大震災が発生した年でありまして、本県の観光にとりまして大変厳しい年でありました。 以来、私は、観光振興を県政の最重要課題の一つと位置づけまして、観光基金の設置など積極的に取り組んできたところであります。その結果、本県の観光客は、平成23年には約1,265万人でありましたが、令和元年は約1,588万人へと大きな伸びを示したところであります。 現在、本県観光は、コロナ禍により深刻な影響を受けておりますが、本県には、食や自然、神話などの世界に誇る観光資源がありまして、ゴルフやサーフィンといったアウトドアレジャーの人気の高まりなど、追い風も吹いているものと考えております。 また、WBC日本代表「侍ジャパン」の合宿も決定するなど、スポーツランドみやざきにつきましても、これまで以上に注目を集めているところであります。 私は、本県の強みを考えるに当たりまして、食とスポーツ、これをツートップとし、続いて自然、森林、神話というものがあるのではないかと。それぞれローマ字で頭文字を取ると、全てSがつきますので、こういった5つのS、これは観光にも直結するものであろうと考えております。 今後、整備中の
屋外型トレーニングセンターの活用等によりまして、スポーツによる誘客を一層拡大するとともに、
宮崎再生基金の活用等によりまして、本県の魅力を国内外に広く発信し、一日も早い観光宮崎の再生と、さらなる発展に努めてまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 冒頭にありましたように、本県の観光は、かつて経験したことがないほどの厳しい状況です。本県経済の大きな柱である観光の再生に、しっかり取り組んでいただくことを要望いたします。 次に、ワーケーションについて質問します。 ワーケーションとは、ワーク(労働)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語で、観光地やリゾート地でテレワーク(リモートワーク)を活用し、働きながら休暇を取る過ごし方のことです。 近年、働き方改革や新型コロナウイルス感染拡大に伴う新しい日常の奨励の一環として、政府がワーケーションの推進を打ち出したこと、また平時の旅行需要の創出や、交流人口・関係人口の増加も期待されることから、多くの自治体でその誘致が行われています。 中でも、和歌山県が他の自治体に先駆けて取り組んでおり、私たちも6月末に会派の部会でその取組を視察に行ったところですが、本県におけるワーケーションの受入れを推進するため、どのような取組を行っているのか、
総合政策部次長にお伺いいたします。
◎
総合政策部次長(川北正文君) 本県では、ワーケーションの推進に向けて、県内の宿泊事業者などの民間事業者や関係団体、市町村から成る「みやざきワーケーション推進協議会」を昨年10月に設立し、現在64の団体に参加いただいております。 同協議会においては、昨年12月と今年3月に、市町村や宿泊事業者などの実務者を対象とした研究会を開催し、保養地の宿泊施設を利用したワーケーションに取り組む長野県立科町の事例を学ぶとともに、国・県の支援策について情報共有を行うなど、受入れ体制の充実に向けて、積極的に活動しております。 さらに、県内のワーケーションに関する情報を一元的に管理するホームページを開設し、県内市町村をめぐる広域的なモデルプランを複数紹介するなど、本県ならではのワーケーションの魅力発信にも取り組んでおります。
◆(
野﨑幸士議員) ここで、県内の取組の例を挙げますと、日向市では、全国有数のサーフスポットをはじめ、日向市の持つ魅力的な観光コンテンツの強みを生かしたワーケーションの推進を行っています。今年1月には、ワーケーション専用オフィス「Surf Office」が整備され、稼働しています。 また、宮崎市では、青島や一ツ葉エリア、中心市街地などに様々なワークプレースやアクティビティーを楽しめる環境が整っているほか、宮崎市ワーケーション特設サイト「みやざきのんびりステイ」を開設し、様々な紹介や発信を行っています。 このように、県内各自治体でもワーケーション推進に関する様々な取組を行っているようです。本県においても、ワーケーション受入推進強化事業を行っていますが、どのような取組を行うのか、
総合政策部次長にお伺いいたします。
◎
総合政策部次長(川北正文君) 県が今年度実施するワーケーション受入推進強化事業では、協議会において、ワーケーションをテーマとした先進事例の紹介やグループワークを行うとともに、SNS等を活用したPRに取り組むこととしております。また、来月には、国内でワーケーションの普及に取り組む有識者を講師に招き、シンポジウムを開催する予定であります。 さらに、ワーケーションをテーマに、都市圏の企業と県内市町村とのマッチングにも取り組むこととしており、この中で、企業の方々と市町村職員や地域づくりに取り組む方々との意見交換を行うこととしております。 こうした事業展開により、地域とのつながりを求める企業と市町村との結びつきを深めてまいりたいと考えております。
◆(
野﨑幸士議員) 県内のワーケーション推進に取り組む各自治体の力になるよう、しっかり取り組んでいただくことを要望いたします。 次に、実際にワーケーション誘致・受入れを検討する際には、受け入れる施設に必要な設備や備品等の充実、利用者のニーズを反映することが重要と考えます。 特に、ワーケーション滞在先として選ばれるためには、セキュリティーやスピード面が確保されたWi-Fi等の通信環境が重要なポイントになると考えますが、県の取組について
総合政策部次長にお伺いいたします。
◎
総合政策部次長(川北正文君) ワーケーションの実施に当たっては、都市部と同程度に働くことのできる通信環境の確保が大変重要であります。 県内においても、ワーケーションに積極的な市町村では、国や県の支援策を活用することなどにより、Wi-Fi等の通信環境を備えたワークスペースの設置等に取り組んできたところであり、民間事業者における取組も広がってきております。 県としましては、国等の支援策を十分に活用するよう、市町村や民間事業者に対して随時、情報を提供するとともに、ワーケーション利用者のニーズに応えるため、ホームページにおいて、Wi-Fiなどの通信環境をはじめとするワークスペースの情報などの発信を行っているところであります。
◆(
野﨑幸士議員) ワーケーションにおいては、全ての滞在者がパソコンを使って仕事をするわけですから、通信環境の充実は必須ですので、引き続きしっかり取り組んでいただくことを要望いたします。 このテーマの最後の質問として、本県におけるワーケーションの展望について、知事にお伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) 昨今、東京一極集中から地方回帰の機運が高まっておりまして、本県におきましても、都市部からの移住者が年々増加するなど、地方への人の流れというものが大きく広がっております。 さらに、新型コロナの感染拡大を契機としまして、テレワークやワーケーションなど、柔軟な働き方が急速に広がっておりまして、休暇を楽しみながら働く場所として、地方への関心が一層高まってきております。 このような中で、ワーケーションの推進は本県にとりまして、関係人口の創出・拡大にとどまらず、観光客や企業の誘致、さらには将来的な移住も期待できるなど、地域の活性化につながる新たな展開を生み出す可能性を感じているところであります。 県としましては、この機会を捉え、民間事業者・関係団体や市町村と密に連携を図りながら、快適なワーケーション環境の整備を促進するとともに、本県の強みであります温暖な気候、サーフィンやゴルフ、豊かな自然や食など、県外に誇れる地域資源を積極的に情報発信し、「ワーケーションで選ばれる宮崎」を目指して、取組を推進してまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 先ほど、観光対策全般の質問をさせていただきましたが、ワーケーションの推進は、観光対策や移住の促進、企業誘致ともリンクすると思いますので、関係部局がしっかり連携してワーケーションの推進に取り組んでいただくことを要望いたします。 次に、スポーツランドみやざきの推進について質問します。 まず、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会についてです。 7月に、令和9年の本県での開催が正式に内定し、より一層、5年後の大イベントに向けての準備が本格化していくと思いますが、新型コロナの感染拡大や燃油・資材等の高騰等で、準備、整備等の進捗に影響が出ているのではないかと危惧しております。 そこで、本県における国スポ・障スポ開催までの準備状況(工程の進捗)、また主要3施設の整備の進捗状況について、
総合政策部次長にお伺いいたします。
◎
総合政策部次長(川北正文君) 国スポ・障スポの開催準備につきましては、新型コロナの影響に伴う県外との往来自粛により、中央競技団体の視察時期がずれ込むなどの状況もありましたが、競技会場地の選定や競技役員の養成、市町村の施設整備に対する支援など、開催準備総合計画に基づき、おおむね順調に進んでおります。 主要3施設につきましては、昨年度に陸上競技場及び体育館の建設工事に着手し、プールは現在、実施設計を行っているところであり、予定どおり整備が進んでおります。 資材の高騰に対しましては、社会情勢を注視しながら、影響が生じる場合には事業者とも調整し、適切に対応してまいります。 2年後には開催決定、実行委員会の立ち上げなどを控え、準備も一層本格化してまいりますことから、関係団体の皆様とも連携し、引き続き、5年後の大会の成功に向けてしっかりと取り組んでまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 開催準備、また主要3施設の整備も順調に予定どおり進んでいるということで、安心しました。 答弁にありましたように、2年後に開催決定、実行委員会の立ち上げ等、準備も本番に向けて本格的になるわけですが、今回、本県国スポ・障スポの開催が内定したことを踏まえて、改めて大会に向けた決意、思いを知事にお伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) この7月に、本県国スポ・障スポの令和9年の開催が内定したところであります。 改めて、5年後の大会の成功及び天皇杯獲得、そして大会後の施設を活用した地域の活性化に向けた思いを強くしたところであります。全国のモデルとなるような大会にしてまいりたいと考えております。 本県の国スポ・障スポでは、県内に分散整備する主要3施設を「スポーツランドみやざき」の新たな拠点とし、これまでの取組を県内全域に広げることにより、スポーツを通した地域振興を図ってまいります。 また、天皇杯の獲得に向けたトップアスリートの競技力向上を一層推し進めるとともに、大会開催を契機に、県民の皆様のスポーツに対する関心をより高めて、広く生涯スポーツや健康づくりを浸透させるなど、県民生活の向上にもつなげてまいります。 大会には県外から多くの方が来県されますので、宮崎らしい「おもてなしの心」でお迎えし、地域の方々との交流の輪を広げながら、本県の多彩な魅力の発信や、新たな活力の創出につなげてまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 本大会は、本県のあらゆる分野に刺激を与える大会になると思いますので、大会効果を最大限に引き出すよう、しっかり取り組んでいただくことを要望いたします。 次に、
屋外型トレーニングセンターについて質問します。 令和3年度2月補正予算において、
屋外型トレーニングセンター整備事業、18億5,100万円が計上され、これは旧オーシャンドーム跡地に県がフェニックス・リゾート社から約6ヘクタールの敷地を無償で借りて、天然芝のサッカー・ラグビー場や、400メートルトラックを備えた多目的グラウンド、さらにはトレーニングジムが設置可能なホール等を設け、トップアスリート向けの練習拠点として整備し、来年4月に運用が始まる予定となっています。 この整備においても、国スポ・障スポの主要3施設の進捗同様、新型コロナや燃油・資材高騰による影響が懸念されますが、
屋外型トレーニングセンター整備の進捗状況について、
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(横山浩文君)
屋外型トレーニングセンターの整備につきましては、これまで順調に進捗しており、予定どおり今年度中に完了する見込みでございます。 本センターの主な施設の現在の整備状況でございますが、サッカー・ラグビー場や多目的グラウンドにつきましては、排水設備や散水設備を整備し、現在、芝を養生中であり、また、クラブハウスや室内練習場につきましても、8月に、くい工事を終え、現在、基礎工事に着手しております。 今後とも、来年4月の供用開始に向け、議員御指摘の資材高騰等の影響も十分注視しながら、事業者や県土整備部ともしっかり連携を図り、整備を進めてまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 来年4月の供用開始に向けて、関係部、事業者等としっかり連携して進めていただきたいと思います。 本県は、この
屋外型トレーニングセンター整備事業を立ち上げる前に、東京オリンピックに向けた選手強化を目的に国が調査研究を進めていた屋外型ナショナルトレーニングセンターの誘致を目指していましたが、国が主体的に整備する意向がないということで、県において整備することとされたわけです。 知事は、この
屋外型トレーニングセンターについて、将来的には国のナショナルトレーニングセンターとしての位置づけを目指したいとの意向のようですが、国からの指定など、
屋外型トレーニングセンターについての知事の思いをお伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) ラグビー日本代表の今年2回目の合宿も発表されたところでありますが、こうした国内外の代表やトップアスリートのキャンプ・合宿を、より充実した環境で受け入れる施設として整備するものであります。 スポーツランドみやざきのブランド力の向上はもとより、本施設への新たな誘致や、周辺市町村へのキャンプ・合宿の拡大を通じて、観光振興や経済の活性化に結びつけてまいります。 さらに、5年後の国スポ・障スポに向けまして、県内アスリートの競技力向上にも活用することとしておりまして、まさに、スポーツランドみやざきを象徴する重要な拠点と位置づけるものであります。 完成後は、キャンプ・合宿の受入れ実績を積み重ね、競技団体からの評価もいただきながら、将来的にはナショナルトレーニングセンターの指定を受けられるよう、引き続き国に対し強く働きかけてまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 答弁にありましたように、スポーツランドみやざきを象徴する拠点になりますので、活用を充実させ、ナショナルトレーニングセンターの指定を目指して取り組んでいただくことを要望いたします。 ところで、去る8月4日に、来年3月にアメリカで開催されるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に参加が決定している侍ジャパンの栗山監督が、本県を事前合宿地とすることを明らかにしました。 厳しいコロナ禍にあって、本県にとって非常に喜ばしいニュースと思いますが、WBC事前合宿の本県決定について、知事はどう受け止められているのかお伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) 侍ジャパンの事前合宿地に本県を選んでいただいたことは、コロナ禍において、県民に元気を与える明るいニュースでありまして、大変うれしく感じております。 この大会につきましては、今年6月に開催が決定したことを受け、ぜひとも本県で事前合宿を実施していただきたく、私自ら、7月に日本野球機構へ要望を行ったところでありまして、今回の合宿地の選定は、本県のこれまでの実績・ノウハウ等を高く評価いただいた結果であると考えております。 あの選手を宮崎で、間近で見ることができるんだろうか、そういうわくわくが今広がっているところでありまして、今大会での侍ジャパンの世界一奪還に向けて、事前合宿が充実したものになるよう、宮崎市をはじめ関係機関と連携・協力しながら、受入れ体制の準備に万全を期してまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 今回のWBCの事前合宿の決定は、スポーツキャンプ・合宿に対する県のこれまでの取組が評価された結果だと思います。 知事も言われましたが、もしかしたら大谷選手も参加するのではないかと、わくわくしています。 知事は就任以来、スポーツランドみやざきの推進に尽力されてきました。プロスポーツチームや国内外代表クラスのキャンプ・合宿の積極的な誘致をはじめ、
屋外型トレーニングセンターや木崎浜サーフィンセンターなど、注目度の高い施設の整備のほか、市町村のスポーツ施設の改修等に係る支援、県内外の大学・企業等のアマチュアスポーツ団体への合宿やスポーツイベントの支援など、プロ・アマ、ハード・ソフトの多方面から様々な取組を進められております。 今後は、国スポ・障スポに向け、体育館や陸上競技場、プールも新たに整備され、スポーツランドみやざきのさらなる推進が期待されるところですが、知事御自身のスポーツランドみやざきに係るこれまでの取組に対する評価と、今後の展望をお伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) 本県では、スポーツキャンプ・合宿の受入れや各種大会の実施など、関係者が一体となってスポーツランドみやざきを推進してきたところであります。 プロ野球やJリーグなどのキャンプ・合宿はもとより、近年では、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿におきまして、数多くの国内外の代表やトップアスリートを受け入れるとともに、トライアスロンのワールドカップやワールドサーフィンゲームスといった世界規模のスポーツイベントを誘致するなど、本県が国際水準のスポーツの聖地としての地位を着実に築いてきたことに、自信と手応えを感じているところであります。 今後、これまで培ってまいりましたノウハウや、既存の恵まれたスポーツ環境に加えまして、新たに
屋外型トレーニングセンターをはじめ、国スポ・障スポに向けた施設を順次整備、有効活用していく中で、スポーツランドみやざきのさらなる飛躍につなげてまいります。
◆(
野﨑幸士議員) スポーツランドみやざきの取組の成果・姿がようやく見えてきたような気がしますので、この成果を、新型コロナで多大な影響を受けた本県の発展のために引き続きしっかり取り組んでいただくことを要望いたします。 次に、選挙における投票率向上について質問します。 今年7月10日に行われました第26回参議院通常選挙、本県では女性1人を含む6人が立候補し、選挙戦を繰り広げました。それぞれの結果が出ましたが、もう一つ、選挙のあるたびに注目されるのが投票率です。 第26回参院選の全国の投票率は52.05%で、前回2019年参院選の48.8%を3.25ポイント上回りましたが、本県の投票率は47.52%、全国最低だった前回の参院選よりも5.73ポイント増加したものの、過去3番目の低さでした。また、期日前投票については、参議院選挙としては過去最多でした。 この投票率の結果をどう受け止めているのか、
選挙管理委員長にお伺いいたします。
◎
選挙管理委員長(茂 雄二君) 今回の参議院選挙の選挙区における投票率は47.52%と、議員御指摘のとおり、3年前の選挙から6ポイント近く上回った一方、全国平均の52.05%を5ポイント近く下回りました。 選挙区の候補者は過去最多と並ぶ6人となり、比例代表の届出政党等も15と多数に上る中、安全保障や物価高への対策、コロナ対応などが争点として注目されましたが、結果として2人に1人以上が棄権されたことを大変残念に思っております。 また、本県の参議院選挙における投票率は、平成19年以降、毎回、全国平均を下回っておりまして、投票率の低さが常態化している状況につきましても、強い危機感を持っているところであります。
◆(
野﨑幸士議員) 近年の各選挙の投票率の傾向から見ても、今後も投票率の低下が懸念されます。 特に、若年層は投票率が低い傾向にあり、平成28年に改正公職選挙法が施行され、選挙権が満18歳以上の方へと引き下げられたわけですが、高校生や大学生は、学校生活等で政治に無関心な方が多く、18歳になっていきなり選挙権を与えられても、何を基準に判断して投票したらいいか分からない若者がほとんどだと思います。 県としましても、これまで投票率向上を目的とした様々な取組を進めているようですが、若年層を対象とした選挙啓発の取組と、その取組をどう捉えているのか、
選挙管理委員長にお伺いいたします。
◎
選挙管理委員長(茂 雄二君) 県選挙管理委員会では、高等学校等における出前授業の実施や、宮崎大学との共催による政治や選挙を学ぶ講座の実施、さらには、今回の選挙でも複数校の取組が報道されましたが、実際の選挙を題材とした模擬投票の実施の呼びかけ等を行っております。 また、今回の選挙では、若い世代がスマートフォンで情報を得られるよう、選挙情報や県内出身タレントのメッセージ等を載せた特設ページを作成したほか、動画投稿サイト「ティックトック」による投票呼びかけなど、SNSによる情報発信も強化したところです。 各選挙における若者の投票率は、依然として低い状況にあり、原因として、選挙に対する無関心や不安、大学生等の住民票問題等が考えられるところであります。 県選管といたしましては、引き続き教育委員会など、関係機関と連携した若年層への啓発に努めますとともに、住民票異動や幼少期からの家族連れ投票の呼びかけなど、親世代も含めた啓発の実施、選挙時における情報発信の充実強化に取り組んでまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 若年層の投票率を上げるためには、学校での教育も重要と考えます。 主権者教育もその一つになり得ると思いますので、教育委員会との連携、研究等にしっかり取り組んでいただくことを要望します。 次に、投票環境についてですが、平成の大合併や人口減少の影響等によって、投票所を統廃合し、投票所が減少しているようですが、高齢者等に対する移動支援など、投票機会の確保が必要と考えますが、
選挙管理委員長の所感をお伺いいたします。
◎
選挙管理委員長(茂 雄二君) 投票所につきましては、平成13年の参議院選挙時には809か所でしたが、平成25年の選挙時には761か所、今回の選挙では739か所と、次第に減少しております。 投票区における人口が減少し、投票立会人等も確保できないこと等が原因と思われますが、今後さらに人口減少や高齢化が進むことが予想される中、投票機会の確保のため、高齢者等に対する移動支援等がますます重要になるものと考えております。 このような中、現在5つの市町におきまして、コミュニティーバスやタクシーを活用した投票所等への移動支援に取り組んでおります。 また、都城市におきまして、ワゴン車による移動式期日前投票所を一部地域に設置しておりますほか、今回の選挙では、日南市及び串間市が、山間部等における短期間の期日前投票所を新たに設置したところであります。 県選管といたしましては、市町村向けの説明会や研修等におきまして、これらの事例を紹介しながら、投票機会の確保に向けた取組を促してまいります。
◆(
野﨑幸士議員) 少子高齢化、人口減少の進展により、交通弱者が増え、投票会場が減少していくのであれば、以前と同じやり方ではなく、その流れに沿った投票の在り方を創出していただくことを要望します。また、障がいのある方への投票支援もよろしくお願いいたします。 直近に行われる選挙が、冒頭に申しました、12月25日投開票の宮崎県知事選挙です。知事選に向かって、しっかり投票率を上げていただきたいと思いますが、河野知事には、選挙戦への思いとか将来の宮崎への思いを、るる聞いてまいりました。 我々議員に寄せられる要望は、昔は道路を直してくれとか、河川の堆積土砂をのけてくれとか、目に見える要望がほとんどでしたけど、近年寄せられる要望は、生活保護であったり、介護の問題であったり、教育の問題であったり、目に見えない要望が本当に増えてきたなと、多分ここにいる議員の皆さん方も感じていると思います。 要は、我々議員また行政は、そういった方々の心の要望をしっかりと受け止めて、形にしなきゃいけない、今はそういう時代にあると思います。 やはり常にアンテナを立てて、県民の思いをキャッチしなければ、助けられる方も助けられない。私は政治というのは、弱い人と弱い地域、困っている人と困っている地域を助けるのが政治、行政の仕事だと思います。 同時に、知事におかれましては、引き続き、これまでどおり県民に寄り添い、その思いを受け止め、一つでも、少しでも形になるよう、継続して県政運営に邁進していただきたいと思います。ふるさと宮崎のために全力で頑張ってください。 以上で、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(中野一則) 以上で午前の質問は終わります。 午後は1時再開、休憩いたします。 午後0時1分休憩───────────────────── 午後1時0分再開
○議長(中野一則) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次は、
宮崎県議会自由民主党、濵砂守議員。
◆(濵砂 守議員) 〔登壇〕(拍手) 皆さんこんにちは。自由民主党、西都市西米良村選出の濵砂守でございます。 「人生には、上り坂もあれば、下り坂、まさかの坂もある。」この3つの坂は、パナソニックを創業し世界的企業へと成長させた、松下幸之助翁の名言として有名であります。 「万が一」とは、万の事象に一つ起きること。「まさか」は、人生で必ず起きることです。人には、まさかに備えて前もって準備する人と、準備できない人、気づかない人の3つのパターンがあるそうです。常にまさかを意識するかしないかで、結果が大きく変わります。 人生、いいことばかりは続かないし、悪いことばかりも続かない。上り坂と下り坂、行ったり来たりの人生の中で、ある日突然、まさかと思いも寄らぬ出来事が起きてしまう。選挙にまさかは付き物でありますが、できるなら、そんなまさかは避けたいものであります。 備えあれば憂いなし、知事選挙は今年12月、私たち県議会議員の統一地方選挙は、来年の春に実施されます。教えのとおり、まさかに備えて前もって準備する人にならなければなりません。 自民党宮崎県連は、次期宮崎県知事選挙に、現職の河野俊嗣知事の推薦を決定いたしました。県内全党員・党友の期待をしっかりと受け止めていただき、知事選に臨んでいただきたいと思います。 それでは、通告に従いまして、自民党の代表質問を行います。 今回の質問は、午前中の野﨑議員の質問と重複を避けて、知事、各部をはじめ企業局、病院局、教育委員会、警察本部、監査委員会に対し、54項目について質問をいたします。明確な答弁をお願いいたします。 まず初めに、敬老の日を迎えるに当たって、知事から県民へのメッセージをお伺いいたします。 9月の第3月曜日は敬老の日とされております。例年であれば、この時期になると各地域で敬老会が開催され、我々県議会議員も多くの敬老会に参加して、高齢者に対する敬愛の意をお伝えしておりました。 しかしながら、新型コロナの影響により、令和2年から3年間にわたり、ほとんどの地域で敬老会が中止になっております。 県が新型コロナから高齢者を守るための対策として、新型コロナワクチンの高齢者への優先接種や、感染リスクの高い混雑した場所への外出には自粛を要請していることなどについては、感染防止の面で一定の評価を受けていると思います。 その県から要請を受けて、高齢者自身や自治会が様々な行事を自粛、中止されておりますが、このコロナ禍で高齢者をはじめ多くの県民が、ストレスを抱えながら生活を送っているのも事実であります。 そこで知事に、敬老会の中止が相次いでいるコロナ禍の中で、敬老の日を迎える高齢者に向けてのお祝いのメッセージをお伺いいたします。 次に、警察本部長にお伺いいたします。 山本警察本部長におかれましては、8月5日付で、内閣官房内閣参事官から、本県の治安維持の最高責任者というべき警察本部長に着任されました。 県内の治安情勢については、刑法犯認知件数等の指標が改善する一方で、事件・事故が複雑多様化しており、時代に合わせた警察の取組が、これまで以上に求められております。 現在、県警においては、「県民の期待と信頼に応える強くしなやかな警察」を運営方針として掲げ、日々警察業務を推進しておられることに、感謝を申し上げます。 「安全で安心な宮崎」という良好な治安の確保は、県民はもとより、宮崎に来県される全ての方々の願いでもあります。 そこで、警察本部長着任に当たっての所信について、お聞かせいただきたいと思います。 以下の質問については、質問者席から伺います。(拍手)〔降壇〕
◎知事(
河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 敬老の日に当たり、多年にわたり社会に尽くしてこられた高齢者の方々に感謝し、長寿をお祝いすることは、幅広い世代で高齢者に対する尊敬の念と理解を深め、共に活力ある健康長寿社会を築いていく上で、大変重要であると認識しております。 県におきましても、毎年、100歳を超える方に対しお祝い状の贈呈を行うとともに、県内男女最高齢者に対し、直接訪問してお祝いを申し上げているところであります。 最近では9月9日、重陽の節句に菊を飾って長寿をことほぐという観点から、菊のフラワーアレンジメントも贈呈しております。 私自身も幾度か最高齢者を訪問し、人生の大先輩に心より敬意を表するとともに、ますますの御健康と御長寿をお祈り申し上げたところであります。 また、地元下北方の敬老会には、毎年妻とともに参加してお祝いを申し上げております。 しかしながら、議員御指摘のとおり、新型コロナの感染拡大に伴い、県内では敬老会の中止が相次いでおります。 同じ世代や若い世代との貴重なこうした交流の機会が失われていることについて、大変残念に、また心苦しく思っているところであります。 改めて、敬老の日を迎えられます全ての皆様に、今の宮崎を築いてこられましたその歩みに対して、心からの敬意と感謝を申し上げ、ますますの御健康と御長寿をお祈り申し上げるものであります。 新型コロナをめぐる状況は、刻一刻と変化しておりますが、引き続き、私が先頭に立って、重症化リスクが高い高齢者をはじめ、県民の命と健康を守るため、医療提供体制のさらなる強化等を図るとともに、こうした敬老会のような大切な行事も安心して行うことができるよう、本県の
社会経済活動の回復と、さらなる活性化に向けて、全力で取り組んでまいります。以上であります。〔降壇〕
◎警察本部長(山本将之君) 〔登壇〕 お答えいたします。 警察本部長として、105万余の県民の皆様と、本県の魅力に引かれて当地を訪問される多くの方々の安心と安全を守る、その治安の責任者として、重責を切に実感しております。 こうした中、警察本部長といたしまして、県警の運営方針に従いつつ、その職責をしっかりと、また真摯に果たしてまいりたいと考えております。 特に、県民また国民の皆様が、事件や事故あるいは災害に遭遇して警察の力を必要とするとき、その期待と信頼に十分応えることができるよう、組織運営に取り組んでまいりたいと考えております。 また、社会のデジタル化の進展等により、我々警察を取り巻く環境や情勢、こうしたものが急速に、また大きく変化しております。こうした情勢等を踏まえまして、我々警察は県民の皆様から寄せられる声に一層耳を傾けつつ、出来する懸案に柔軟かつ適切に対処してまいる所存でございます。 皆様方におかれましては、警察活動に対するこれまで以上の一層の御理解・御支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。〔降壇〕
◆(濵砂 守議員) それでは、質問者席から質問を続けてまいります。 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。 新型コロナとの闘いも3年となり、ワクチンや治療薬も出てきたところでありますが、一方で、変異株が相次いで出現するなど、闘いの終息はいまだ見えておりません。 年明け以降は、オミクロン株の出現で感染者が急増し、特にBA.5系統への置き換わりの影響で、7月中旬以降は、過去に例を見ない爆発的な感染拡大に見舞われました。 県内でも病床使用率が50%を超え、自宅療養者も2万人を超えるなど、医療機関や保健所は逼迫し、8月11日には県独自の医療非常事態宣言が発令されました。 現在も感染者数が高止まりする中で、県内の医療提供体制は厳しい状況が続いておりますが、ここに来て、医療機関の負担軽減のため、国から全数把握の見直しの方針が示されました。 これは、新型コロナ発生届を、重症化リスクのある方に限定するものであり、当面は、希望する都道府県を対象にした運用になるようであります。 そこで、まずは、国が示したこの全数把握の見直しの方針に対しどのように対応するのか、知事にお伺いいたします。
◎知事(
河野俊嗣君) 今回の全数把握の見直しにつきましては、医療機関の現場が逼迫する状況や地方の声を踏まえ、国が緊急避難措置として新たな対応策を示したものであり、地方の切実な声を踏まえて迅速に対応していただいたことや、その方向性については、一定の評価を行っているところであります。 しかしながら、実際に導入するに当たりましては、例えば届出対象外となる方の症状が悪化した場合に、どのように医療機関への受診や入院につなぐかなど、現時点では運用面で課題が多いものと認識しております。 なお、本県では、みなし陽性の運用や陽性者登録センターの設置に加えまして、医療機関が陽性の届出を行う、ハーシスと呼ばれるシステムの入力項目の削減など、これまで、医療機関の負担軽減につながる取組をいち早く実施してきているところであります。 このような状況の中、医師会や医療機関からも、現時点での見直しについては慎重な対応を望む声が多い状況にありまして、緊急避難的な見直しを行うことは考えておりません。 なお、国からは、今後全国一律での見直しを進める方針が示されておりまして、県としては、さらなる負担軽減のため見直しが必要という基本的な認識の下、この動きを前向きに受け止めているところであり、医師会や市町村等との意見交換を行いながら、必要な対応について検討を進めてまいります。
◆(濵砂 守議員) 次の質問であります。 オミクロンBA.5の極めて高い感染力の影響もありまして、第7波はこれまでに経験のないほどに感染が拡大しております。 このような状況の中、発熱外来を対象としている医療機関には連日多くの患者が来院しており、これに対し、医師や看護師などの医療スタッフが懸命に対応に当たっております。 医療機関によっては、診察が終了した後に、検査結果を患者さんへ伝達した上で、陽性者に係る発生届のシステム入力をすることになるため、これら一連の作業は深夜まで及ぶこともあると伺っております。新型コロナ感染が長期化する中、医療機関にかかる負担も蓄積されているものと思われます。 そこで、新型コロナ第7波による爆発的な感染拡大を受け、医療機関の負担軽減にどのように取り組んできたのか、福祉保健部長にお尋ねいたします。
◎福祉保健部長(重黒木 清君) オミクロン株BA.5系統による爆発的な感染拡大を受けまして、発熱外来をはじめ診療・検査医療機関に大きな負担がかかっております。 このような中、県では、医療機関の負担軽減を図るため、医師の判断で検査を行わず、症状をもって診断を行う、みなし陽性の運用を開始したほか、重症化リスクの低い陽性者の発生届の入力項目を大幅に削減したところであります。 さらに、発熱等の有症状者のうち、重症化リスクの低い方を対象に、抗原検査キットを用いた自己検査等の結果をもって医師が陽性の診断を行う、陽性者登録センターを開設いたしました。 また、県民に向けましては、平日の早めの受診、検査のためだけの救急外来を控えること、療養期間を証明するための検査を医療機関に求めないことなどをお願いしてきたところであります。
◆(濵砂 守議員) 次に、自宅療養者の支援について伺います。 現在流行しているオミクロン株は、軽症や無症状の方が多いと言われてはおりますが、発熱や喉の痛みなど、急性期の症状が強く出る方もおります。途中で症状が悪化する方もおられ、自宅療養中は適切な支援が提供されるべきと考えております。 しかし、1日当たりの新規感染者数が4,000人を超えるなど、これまでにない感染が拡大する中で、2万人を超える自宅療養者への一律の支援を届けることは困難なことと思われます。 そこで、急増した自宅療養者に対する健康管理や生活支援をどのように行っているのか、福祉保健部長にお伺いいたします。